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 「祐巳、おまえ強くなったな。ちょっと焦るよ」(福沢祐麒)

 特徴として、原作『真夏の一ページ』収録の「略してOK大作戦(仮)」だけじゃなく、『涼風さつさつ』冒頭の「はじめの一歩」までを繋げて構成されたお話で、祐巳と祐麒のシーンから始まって、祐巳と祐麒のシーンで終わる、祐巳祐麒好きだったらこれを見ずして何を見る!な1枚になってます。相変わらず、OVAならではの映像美にはうっとり。
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 前回『子羊たちの休暇』が完全に祐巳と祥子さまのお話だったとすれば、今回は祐巳と祐麒のお話の色合いが強いです。そして、続く『涼風さつさつ』のクライマックスで祥子さまと祐麒の祐巳への愛情度が試され、パンダオチで祥子さまが勝利すると(笑)。

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◇今回もコレクターズエディションで購入

・外装

 おしぼりのようなものを握って、イチャイチャしてる祐巳と祥子さまの真夏の一ページ。話の内容上祐巳と祐麒のツーショットでも良かった気がしますが、前巻も祐巳と祥子さまのツーショットだったことを考えると、今回の3rdシーズンOVAシリーズのコレクターズエディションの外装イラストは全部祐巳&祥子さまで統一するのかな。

・コースターセット&リボン

 このコースターセットを使って優雅にお茶でも飲みながら原作マリみてを読むとある午後……みたいに使えばいいのかもしれないんですが、もったいなくて使えないよ!前回のブックカバーと同様、これも永久保存版の方向で。

・ポストカード

 今回のひびき玲音先生描き下ろしのオリジナルイラストは、メディア露出してたパッケージイラスト以外は乃梨子単体&祐巳単体のデフォルメVer。乃梨子可愛いなー。めったに原作の表紙にまではならないキャラなので、こういう所でアピール。最近の話の展開上、この辺りで、乃梨子&瞳子の表紙とかあってもいい気はしますけどね。

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<本編感想>

・冒頭から、自室での髪下ろしVer祐巳

 ここからして既にノックアウトされ気味だったのは誰かって?僕だよ!弟の祐麒の前では髪を結ばず、アットホーム仕様になってる祐巳が可愛い。全体的にですね、今回は私服Verの魅力にノックアウトですよ。原作で文章では書き込まれてるし、挿絵イラストも挿入されてるけれど、視覚的印象度としてはやはりアニメが最高です。この後の喫茶店で「OK大作戦」の会合を山百合会メンバーで開く時の由乃の髪型なんかがまた可愛いのです。学校Verと違って、ちょっとだけ三つ編みで、もう半分は流してるみたいな、すごいオシャレな感じになってるの。こういうのは、アニメ版ならではだなぁ。

・真夏の町並み、柏木邸あたりの映像美力入りすぎ

 その喫茶店に入るまでの、「真夏のある町の風景」が力入りすぎ、太陽光が現実に忠実な感じで再現されてて、見てるだけで暑そうなの。そして、柏木邸は広すぎで、日本庭園風の描写には力入れすぎ。緑が綺麗過ぎて、何も柏木邸の庭で自然の美しさを描写せんでも!というくらい気合いはいってます。

・柏木邸での、祐麒と柏木さんの祥子さまに関する問答は無し

 そもそもアニメ版では柏木さんの同性愛設定が無かったことになってるので、当然の省略なんですが、これ、祥子さまの男嫌い物語はどう決着つけるんだろうな。今回のサブタイの「略してOK(男嫌い克服)大作戦(仮)」そのままにこういうコメディ調のエピソードを挟みながらも、最終的には『くもりガラスの向こう側』で祥子さまは柏木さんと婚約を解消することでむしろ和解する……という帰結を経て、祥子さまの男嫌い克服物語は一区切りとなるはずなんだけど、その辺りの仕込みになる、祐麒からの「幸せにできないんだったら、婚約解消して自由にしてやれよ」あたりのアプローチがここで入らず。アニメ版が続いた場合、原作後半では重要人物になってくる柏木さんをどう使うのかは、昔から心配してる所です。まあ、まだ早い心配ですけど。
 一方で、ここでの祐麒と瞳子の初対面、その後に瞳子のことを「可愛い」ともらす祐麒……の仕込みはばっちり。ここで仕込んでおかないと『くもりガラスの向こう側』の瞳子の祐巳邸来訪イベントが成立しなくなるからね。瞳子、登場シーンであからさまに縦ロールをボヨンボヨン揺らしてたのがウケた。そんなに、揺らさんでも。

・映像版で、百面相もパワーアップ

 事情を瞳子に悟られまいとする祐巳という絵で、そこまでせんでも!というほど百面相します。顔が動く動く。そんな所気合い入れて動かさんでも!というほど動きます。アニメ版でも結構動いてましたが、OVA版になってさらにパワーアップ。アニメ史上でも、よく動いた百面相部門で上位を狙えるんじゃないでしょうか。

・作戦当日の原作にあった「プール帰りの少女達」を祐巳がバスで見かけて、眠ってる少女に自分を重ねるシーンはカット

 原作ではすごい短いのにわざわざ一節とってる不思議な節なんですが、象徴的で解釈が難しいですからね。アニメ向きではないということでいいのかも。

 あとは、祥子さまに作戦がバレて(というか祐巳が白状して)、祐巳と祥子さまの間でだけそのことを秘匿したまま、山百合会メンバー&祐麒を煙に巻いて、されど花寺の濃い面々登場で祥子さま気絶……という所で、原作の「略してOK大作戦(仮)」部分は終了。続いて、ぐぐっと場面転換して、時系列も二学期に進めて、「はじめの一歩」相当のお話に入っていきます。

・全編これコメディ

 そして続く「はじめの一歩」部分のお話は、山百合会と花寺の生徒会の面々が初対面して、おのおの自己紹介するだけ……というエピソードなんですが、異様に演出が効いてて凄まじいコメディ度になってます。文章では表現しづらいな、これ。いちいち音楽を変えたり、所々にむっちゃ引いてる祥子さまの顔面ショットを挿入したりといった手法で、とにかう笑える仕様になってます。なんていうかね、祥子さま視点からバトルもののラストバトルに赴くが如き大げさな演出がなされてるんだけど、やってることはたかだか男子高校生と対面するだけ……という、んな普通のことで、なんでこんな緊迫した感じに仕上げてるんだ!という突っ込み待ちのメタ演出的なフィルターがかけられてる感じに仕上がってるのですよ。もう、自己紹介一番手の、祥子さまからして、BGMが優雅なものに変わって、画面演出もお姫様モードに変わって

 「山百合会での通り名は、ロサ・キネンシスです」

 ですよ!「通り名」とか、普通自己紹介で言わないよ!

 乃梨子も「趣味は仏像鑑賞です」と自己紹介した直後に、アリスから花寺にある仏像の話題をふられて、

 「誕生仏ですね。天上天下唯我独尊」

 って言って、右手をあげて独尊のポーズ。原作だと次の行には高田くんの「通だ!」っていう突っ込みが入るんだけど、アニメ版では乃梨子がポーズを取った所でBGMが一旦止まって、一瞬の沈黙……という、こういう細かい演出がとにかく面白かった。

 そしてクライマックスの、心は女の子なのに、名前は金太郎というアリスのコンプレックスを祥子さまが浄化してやる場面では、祥子さま、窓の外の逆光をバックに後光を背負いながら降臨。やりすぎな演出にひたすら爆笑です。しかも、そこから嬉しさのあまり祥子さまに抱きつくアリスに、空気読めない子な祐巳がマジ嫉妬。すげー面白かった。この山百合会と花寺生徒会の対面イベントは、アニメ版のコメディ編でも屈指の笑い度なんじゃないでしょうか。いや、原作も面白かったけど、いちいち本気でボケに走ってる演出を駆使し過ぎてるおかげで、アニメ版の方が笑い度は高かった気がする。夜中に一人で見てても、抑えがたくて爆笑しちゃったよ。

・されど、ファイナルシーンは美しい夕焼けの中の福沢姉弟の場面で締め

 ここは本当いい場面だなぁ。夕焼けに照らされるリリアンの帰り道という風景の映像美も美麗過ぎてヤバ過ぎ。自分が生徒会長だということを言い出せなかった祐麒に対して(柏木さんのような万能生徒会長にはなれず、実権もないお飾り生徒会長な自分にコンプレックスを抱いているのです)、柏木さんの様になる必要はない。祐麒は祐麒であってよいということを言ってあげる、優しい祐巳お姉ちゃんの図。

 「祐巳、おまえ強くなったな。ちょっと焦るよ」(福沢祐麒)

 の台詞の後、後ろから祐麒に駆け寄る祐巳。そのまま腕でも組んじゃいそうな勢いでしたが、姉弟なのでそれは無し。その代わり、限りなくギリギリまで体を近づけて歩いていくのみ。と、この距離感に悶え悶えしてた所で、エンディングへの引きは、そんな姉弟イチャイチャを木陰からストーカーしてた可南子のカットというこの上ない盛り上がりで引き。弟とイチャイチャして、後輩女子高生からはストーカーされて、祐巳モテモテです。ああ、気になる。小清水亜美さん声の可南子と植田佳奈さん祐巳の初絡みは次巻におあずけですよ。強烈に続きが見たくなる見事な引きです。あの、自分が抱いてるイメージのみの偶像の祐巳さまを崇拝して祐巳を持ち上げ倒す可南子の語りを小清水さんの声で早く聴きたい!

◇マリア様にはないしょ

 オープニングの花寺バージョン。祥子さまポジションに柏木さんで、ムキムキポーズを決める高田くんとか、あと色々と。最初の一枚絵が勝負という、高度なギャグ映像です。

◇オーディオコメンタリー

 相変わらず内容の話ほとんどしてねー!

 植田佳奈さん、能登麻美子さん、清水香里さんという3人衆でしたが、相変わらずお菓子の話とか、トランプの話とか。そんなんばっかり(笑)。ただ、祐巳祐麒を見て、「姉弟でお出かけっていいよねー」「うん」と全力で皆が同意してたのが面白かった。そして、リアルに弟がいる能登さんは、弟さんとご飯食べに行ったり、時には買い物にいったりもするという、姉弟愛溢れるエピソードを披露。植田さんも妹さんと仲いいけど、仲良し姉弟姉妹多いなー。

 祥子さまに計画を秘匿する祐巳の場面から、「隠し事ができるか」という話になって、できないという能登さんと、できるという植田さん。らしい……と一人納得しつつ、隠し事と言ってもババ抜きだけはできないという植田さんから、長時間に及ぶトランプトークに。七並べは、池澤春菜さんは上手そうだけど、伊藤美紀さんは下手そうだという見解も、確かにー、なんて思いながら聴いておりました。

 あとは、能登麻美子さんが豊口めぐみさんとメールのやりとりするときは、「お姉さま」という呼び方と「めぐさん」という呼び方が混ざるという話が面白かった。植田佳奈さんと伊藤美紀さんといい、リアルでも姉妹ネタで結構遊んでるんだなーとほのぼの。

 ◇

 というわけで今回も大満足でした。到着した日の夜に万障繰り合わせて本編ガン視し、眠い目をこすりながら、エーイ、もう50分!とオーディオコメンタリーまで一気に聴いてしまったよ。とにかく映像美は美しすぎるの一言だし、他に、今巻ではあれだ。祐巳と祐麒のイチャイチャが見たい人は、これを買わずしてどうするか!という感じだ。ラストの夕日の中の福沢姉弟の部分は何度も見ました。いいなーこういう姉弟欲しかったなー、と、オーディオコメンタリーで皆さんが言ってたような感想を胸に、次巻を待ちます。

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●通常版

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マリア様がみてる OVA 2 略してOK大作戦
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マリア様がみてる OVA 4 レディ、GO!
マリア様がみてる OVA 5 チャオソレッラ

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