2008年10月12日

魔法少女リリカルなのはStrikerS/感想/13話〜最終回まで

魔法少女リリカルなのはStrikerS Vol.9  「それも全部、私なんだ」(フェイト・テスタロッサ・ハラオウン)

 なのはシリーズ第三期、『魔法少女リリカルなのはStrikerS』を最後までDVD視聴しましたので、簡単にネタバレ感想をば。
 ◇

 もう、StrikerSになってからは、はやてさんが感情移入先でした。組織のリーダーにしてプレイヤーと、鬼の行動力を見せるしスペックも高いんだけど、行動の源泉には闇の書事件への贖罪意識と、初代リインフォースが救えなかった後悔とがあるので、どこか危ういというのが人間味があって良かった。

 夜に一人で初代リインフォースのガジェットを握りしめて、なのはやフェイトに救って貰ったこの命は、世界のために使うと言いきる所が最高にカッコいい。

 一方で、もはや世界>自分になっちゃってるはやてさんのあり方の危うさに割と回りの面々は気付いていて、そこはかとなくバックアップに回っているのが周囲の優しさが滲み出ていて良かった。

 ヴェロッサさんがティアナに、部隊長と部下としての関係だけじゃなくて、はやてさんと年頃の女の子としても付き合ってあげてくれないかとさりげなく打診して、意図を解したティアナがはやてさんを食事に誘うというシーンが好き。

 ◇

 そして、最終戦は、機動六課とスカリエッティ陣営との全面対決になるのだけど、全てのバトルに、第一期からなのはシリーズで繰り返し描かれていた、「虚構の存在だった者が他者からアイデンティティを授与されて居場所を獲得する」という物語が全面的に組み込まれていたのが感動的だった。

 敵側の人造魔道師達、戦闘機人達、そしてゆりかごの鍵にしか過ぎなかったヴィヴィオと、全員が、第一期のフェイトのような「虚構の」存在なんだけど、次々と機動六課組によって救われていくのが熱かった、というが優しかった。

 ヴィヴィオを救うなのはの絵は第一期のフェイトを救うなのはの絵のリフレインだし(母性っていう要素が追加されてるけど)、ルーテシアを救うキャロとエリオという絵も、キャロとエリオが(特にエリオ)が虚構の存在で居場所が無かったからこそ、エンパシーを感じてルーテシアに接することができるというのが丁寧だった。

 ティアナVS戦闘機人の決着時の、戦闘機人でも笑って生きているヤツを知っているっていうティアナの説得も感動的だった。劇中で明かされずとも、ティアナとスバルの間にも、スバルが戦闘機人であったという事実をティアナが受け入れた、その上で人間として接することでスバルを救ったという過去があったのが示唆されています。スバルとティアナのコンビは、悩みがちなティアナが明朗なスバルに引っ張られてるという構図に見えながら、おそらく決定的な所で一度スバルを救ったのは、ティアナの方で、なのは−フェイトに写像させるなら、実はティアナがなのはで、スバルがフェイトの方だったと。

 そして、ラスト、普通に考えればなのはさんの所にクライマックスを持ってくる所を、やはりなのはシリーズのクライマックスはフェイトさん。

 ラスボススカリエッティに捕縛された所で、スカリエッティが戦闘機人を作るのも、フェイトがエリオやキャロを保護したのも同じ、自分に都合がいい他者を作りたかっただけなんだろう?それこそ、自分の都合でアリシアの写身のフェイトを生み出したフェイトの母のように……そしてそうやって生み出された虚構のフェイトに意味なんか無いように、戦闘機人にもエリオにもキャロにも意味なんか無いんだよ……というスカリエッティの一大演説を前に、相変わらず精神的な危機を迎えるフェイトさん。

 なんだけど、そこにエリオとキャロからエールが届く。と、ここからの逆転開始が熱すぎ。エリオもキャロも、フェイトに救われて良かったと、虚構の存在に過ぎなかった自分達が、今は自分の意志で、自分の足で立てるようになったと。機動六課で過ごした時間には意味があったと。だからフェイトさんは迷わないでくれと。闘ってくれと。

 エリオとキャロが伝えてくれたエールの内容が、そのままなのはに救われてこれまで過ごしてきたフェイトの時間とシンクロ。フェイトが瞳を見開いた所で挿入歌開始、劇中初の新ソニックフォーム発動。

 「私は弱いから、迷ったり悩んだりを、きっとずっと繰り返す。だけどいいんだ。それも全部、私なんだ」(フェイト・テスタロッサ・ハラオウン)

 「私」が無かったフェイトさんが、「それも全部、私なんだ」という言葉を口にするのが感動的。第一期ではなのはに救って貰った所を、第三期では教え子に救って貰う関係になっているというのもシリーズをまたいだ物語の変遷を感じさせます。そもそも写身であったフェイトの、エリオとキャロの、人造魔道師達の、戦闘機人達の、ヴィヴィオの、全ての虚構に過ぎなかった存在達の存在意義をかけて、ラスボスと闘うのは、挿入歌付で最後の変身をするのは、フェイトさん以外あり得ない。ラスト3、「雷光」は神回。全シリーズ、最終戦のクライマックスでフェイトさんに精神的な危機が訪れる→フェイトさんがそれを乗り越えた所で挿入歌開始で逆襲開始というのが共通なんだけど、毎回泣かされてるよ。今回も泣いたよ。

 ◇

 エピローグは機動六課解散、それぞれの道へなエンディングで、まだまだ続いていきそうなエンディング。劇場版決定に、同人界隈なんかを見るにまだまだホット。これは、第四期も十分あり得るんじゃないかと思いました。まだまだ、なのは、フェイト、はやての物語を見たいよ。

魔法少女リリカルなのはStrikerS Vol.9
魔法少女リリカルなのはStrikerS Vol.9

→前回:『魔法少女リリカルなのはStrikerS』(12話まで)の感想へ
→次回:
『魔法少女リリカルなのは』シリーズの感想インデックスへ

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