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フレッシュプリキュア!【1】 [DVD]  「あなたは私が守ってあげる」(蒼乃美希)

 フレッシュプリキュア!第17話「シフォンはまかせて!ベリーの新しい力」の感想です。
 ◇

 今回の見所ベスト3。

第3位:蒼乃さん、努力する

 欲しいものは努力して勝ち取ろうという蒼乃さんの姿勢は尊敬に値する。

 普段完璧なセットを崩して、髪振り乱して目的のために頑張ってる姿はコメディパートなんだけど普通にカッコいい。

 また、今回は蒼乃さんメインなんだけど、ちょっとだけ入る桃園さん、ブッキーさんの蒼乃さんを見る目が感動的だった。幼少時から3人一緒だったことを強調される過去エピソードも相成って、三人にはもの凄い絆があるのがちょっとしたカットから伝わってきます。

 あの美希たんが髪振り乱してるなんて!などと驚くレベルの人間関係ではなくて、お互いカッコ悪い所もカッコいい所も既に知り尽くしているから、ああ、美希たん今回は必死だなくらいにスルーできる関係が既に出来上がっている。視聴者的には一番の見所だった「あの美希たんが泣く」というシーンでも、桃園さんとブッキーさんは普通に受け入れているのが温かい。美希が泣く所など、既にラブも祈里も何度も見てきたのであろうというのが、何気ないカットから伝わってくる。美希が完璧な人でないことなど、二人は当の昔に知り尽くしているという。

第2位:蒼乃さん、涙する

 構成美がもの凄くて、桃園さん新武装供給回、ブッキーさん新武装供給回と、演出、話の軸を同じにして一本の芯を通しています。

 まず今回蒼乃さんが子育ての本を読んでいるシーンが、桃園さん新武装供給回における赤ちゃん食を作る桃園さんのシーン、ブッキーさん新武装供給回における医学書を読むブッキーさんのシーンと、同じ意味合い。つまり、桃園さんは桃園母なら出来たであろう赤ちゃん食を作るという行為にチャレンジするも、全うできなかった。ブッキーさんは、ブッキー父なら出来たであろうシフォンの治療という行為にチャレンジするも、全うできなかった。そして今回、蒼乃さんは、蒼乃母ならできたであろう赤ちゃんのお世話という行為にチャレンジするも、全うできなかった。という、三人それぞれがシフォンを通して疑似親を演じるにあたって実親の領域を(本人達は無自覚に)目指すのだけど、できなかった、という理想の破れ、己の未熟さの痛感、というイベントが、三人とも新武装供給回には描かれています。

 それに関係して、三人それぞれの実親の偉大さが描かれている話が前もって入っていたのも、三人共通。桃園さんには、第6話で、子に食事を作る桃園母の姿が主軸の1話が、ブッキーさんには、第10話で動物を治療するブッキー父の姿が主軸の1話が、それぞれ新武装供給回の「タメ」として描かれています。蒼乃さんはちょっと変則なんですが、やはり第12話が「タメ」の話だったと解釈したい所。桃園父、ブッキー父が頼りになってカッコいいからこそ、父不在の蒼乃さん、という話が第12話。それは逆に、父親不在でも蒼乃さんを育てた蒼乃母の偉大さを浮き彫りにするお話だったとも捉えられるので、やはり、「先行者としての実親の偉大さを描写しておく話」として共通だったと思います。それゆえに、今話の蒼乃母の、「赤ちゃんを育てるのは生やさしいことじゃないの」という台詞が、重くストーリーに生きてきています。表面上はチャラい感じに描かれていた蒼乃母が裏返った瞬間。蒼乃母も、ちゃんと立派なお母さんだったという。また、今回はこの「新武装供給回は偉大な実親を追う話」というのを総括するように、分かりやすく、幼美希を探す蒼乃母と、シフォンを探す蒼乃さんが、絵的にもシンクロ演出で描かれていたのが、上記テーマの表現として良かったと思います。

 さらに、この「実親を追う形では、疑似親を全うできなかった」というシチェーションが、三人とも三人の「口癖」に絡めて描かれているのも構成美を感じさせる所。桃園さんは、「天使が落とした幸福のリング」が踏みにじられて、「幸せゲットだよ」どころか、全然ゲットできない状況に打ちのめされた。ブッキーさんは、「私、信じてる」は、前向きな意味ではなく、本当に信じることしかできないくらい打ちのめされた状況だった。そして、今回蒼乃さんは、「私、完璧」どころか、疑似親としては全然完璧じゃなかった自分に打ちのめされていた。

 そして最後の3人共通要素は、「涙」。実親のような理想には到底届かず、疑似親を全うできない。口ぐせに象徴されているような自分の理想には到底届かず、打ちのめされる、だから涙する、というのが3人とも共通。しかしそれでも残った愛が、祈りが、希望が、シフォンに通じてピックルン登場という流れが演出として共通。なので、今回も蒼乃さんは泣くのだろうと思っていましたが、本当にボロボロに泣いていたのは、ここまでの流れを踏まえるとやはりクライマックスでした。一番強気な蒼乃さんでも泣くというのが、話数的に引っ張った甲斐があった。勝手に放置して、いなくなってから勝手に愛情に気付き、必死で追いかけたものの当のシフォンはラブと祈里にお世話されていたという、無様もいい所で完璧からはほど遠い有様だったんですが、全然完璧じゃなくても、伝わる時は伝わるという。みっともなくても本気で頑張ってる蒼乃さんの気持ちを見ていてなんとか汲んでやりたくなっていたので、シフォンに伝わったのは嬉しかった。新武装供給回は毎回だけど、伝わった!という、ヘレン・ケラーの「Water!」というか『E.T.』的というか、そういう感動もあるな。

第1位:ベリーソードついに登場

 そして、打ちのめされ、涙し、ボロボロになった蒼乃さんが、

 「大丈夫、あなたは私が守ってあげる」

 と、今は遠き理想の母親(ここは父性とも解釈できそう)に一歩を踏み出すという反則シチェーションで、ついにベリーソード登場。この台詞の所の蒼乃さんの表情はヤバイ。

 さらにまた、ついに登場のベリーソードバンクがカッコいい。喜多村英梨さんの演技だと思うんですが、「響け、希望のリズム!」の「響け」の所でかなりゾクっときた。そして、一旦鞘におさめる仕草から、抜剣という動作がカッコいい。女児視聴者様の想像力トレーニング。パインフルートが一瞬の吹く動作でフルートに見えるように、この納剣から抜剣の動作で、見える人には本当に剣が見える、というか「見てね!」という仕様。桃園さんから遅れること9話分の気持ちがこもってるかのような、ベリーソード炸裂でありました。

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 どうしよう、本当に蒼乃さんが素敵に思えてきた……。

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