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魔法少女リリカルなのは第4期シリーズ(コミック版) に参加中!
 さて、そんな感じで本日発売の月刊コンプエース7月号から連載開始の、なのはさん第4期第2弾、『魔法少女リリカルなのはVivid』のネタバレ感想です。
 巻頭カラーで大プッシュ。おまけにコンプエースの今号の付録はけしからん「なのフェヴィ」下敷きです↓

月刊コンプエース7月号付録/なのフェヴィ下敷き

 こういうあざとい方向でのけしからんさはさておき、非常に良かったのは、魔法少女モノに立ち返った作品だったということ。やたー。傑作になるかもしれぬ。
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 「もうすこしゆるめで、もう少し魔法少女っぽい物語を!」(原作:都築真紀)

 との今号の都築真紀さんのコメントにあるように、大幅に魔法少女モノ作品に戻してきました。良かった。少年主人公に25歳なのはさんという『Force』は、もはや少女創作でもなんでもない感じでしたが、これは、この『Vivid-ヴィヴィッド-』は当少女創作ファンブログで扱える! というか、うちの最も得意とする所です。

 魔法少女モノの要素として、お母さんとの関係が描かれる、第01話で変身能力を身につける……などがあると思いますが、それらの要素が十全に詰まっていたMemory;01でした。

 あ、もう言わずもがなですが、主人公はヴィヴィオです。小学生からはじまって文字通り魔法少女だったなのはさんの時代から一周して、今回は小学4年生時代のヴィヴィオが主人公となります。

 まずはお母さんとの関係の時点で、なのはとフェイトという、「二人のママ」がいることが第1話から強調。なんでママ要素が少女創作に大事なのかというのは話すと長くなるのですが、そもそも少女作品の魅力は、いつか母になる存在の、未成熟時代(少女時代)を描いている所に醍醐味があるという側面があるから。

 少女アニメに限定しても、このなのはさんも最初は実母との関係も描かれながら、こうしてなのはさんも母親になるまで(疑似母だけど)を描かれていますし、『おジャ魔女どれみ』なんかも、実は最終シリーズ『ナイショ』で、母になったどれみを強力に意識させるファイナルエピソードで少女創作として完結していたりします。もっと幅を広げるなら、日本に影響を及ぼしている点では原点的少女小説と言えるような『若草物語』や『赤毛のアン』も、母と娘のモチーフ、もっと言うなら「かつて少女だった母と、やがて母になる少女」という部分に、「少女小説」としての魅力が詰まっていると僕は解釈しております。

 その点で、ママになったなのはさんと、その娘のヴィヴィオというのが軸で、ヴィヴィオが主人公というのは、これぞ魔法少女、これぞ少女創作です。これなー、やがて「アンの話が好きか、リラ(アンの娘です)の話が好きか」という話題が世界中で語り継がれたように、「なのはさんの話が好きか、ヴィヴィオの話が好きか」という話題で世界中で語り継がれたりしないかなー。なのはさんの海外人気ってよく知らない部分ではありますが。
(ちなみに、日本の『魔法少女』の海外での認知度は、少なくとも一部に熱狂的なファンがいるのは事実。セクシャルな方向で見ている部分もあるであろう男性ファンだけじゃなくて、女性ファンもいます。僕自身、スロヴェニアで日本語教師やっていた時に、現地のアニメ好きの女生徒の家に招かれて、(日本アニメの)魔女っ娘グッズに彩られた部屋にビビッた経験があります。『若草物語』などが当時の少女層にクリーンヒットした歴史を鑑みるに、日本の魔法少女アニメにも、そういった古典少女小説から連なっている、何かしら少女に訴求する魅力があるのだろうという点は、この少女創作ブログを立ち上げた、僕の関心の一つ)

 そしてさらに、今回の『魔法少女リリカルなのはVivid』。上記の理由から、第1話で変身能力アイテムであるデバイスをお母さん(なのはさん)からヴィヴィオが手渡されるという時点で魔法少女万歳、少女創作万歳なのですが、なんと、その「変身」を使ったヴィヴィオのセイクリッド・ハートの能力が、聖王化なんですよ!

 分からない人に説明しますと、ヴィヴィオには、聖王モードという、大人の女性(といっても18歳くらいかな?)であるモードがあるのです(ちなみに、戦闘力的には、普通の悟空と超サイヤ人の悟空くらい違います)。第3期「Strikers」が、聖王となってしまったヴィヴィオを、少女に戻してあげるというのが核だった点で少女創作だったのに対して、今回は少女であるヴィヴィオが、聖王を使いこなすという点で少女創作なのです。

 この少女以上、母未満という「揺らぎ」も少女創作の魅力なのですが、それを少女ヴィヴィオは聖王ヴィヴィオに変身できるという設定で表現。これは凄いと思います。というか、アレですよ。手塚治虫の『ふしぎなメルモ』の方向ですよ、これは!

 という感じで、主人公少女(ヴィヴィオ)、昔少女だった母(なのはさん)、少女以上、母未満(聖王ヴィヴィオ)という、全てが入ったど本命少女創作になっているのです。

 第1話で絶賛し過ぎだろうという感じですが、これはとても楽しみになりました。これは、今年の夏はヴィヴィオだな……。

コンプエース 2009年 07月号 [雑誌]

赤毛のアン (完訳クラシック赤毛のアン)
赤毛のアン (完訳クラシック赤毛のアン)

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