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 「えりか上から目線です」(シプレ)

 ハートキャッチプリキュア!第37話「強くなります!試練はプリキュア対プリキュア!!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。

第1位:過去の自分との対峙

 「鏡」とか「お城」とか、何となくそうなのかとは思ってましたが、描くお話としても完璧に『プリキュア5』の映画「鏡の国のミラクル大冒険」リスペクトにして、その続きを描いているようなお話でした。

 「夢を追う」、理想の自分を求めて変わっていくことは、「過去の自分を殺すこと」と同義だという、プリキュアシリーズ屈指の哲学度にして過酷な映画。ハートキャッチのテーマの「変わる」も、新しい私に「変わる」ということは変われなかった頃の過去の私を殺すことでもある。ゆりさん復活話で、独りで戦っていた頃の私の気持ちはどうなってしまうのか〜それでも変わる〜コロン消滅〜花咲さんら「仲間」と一緒の新しいゆりさんへ……の流れで描いたものの、再提示でもあります。前回が盛大な「ここまで変われました」というファッションショーの話だった後に、変われなかった頃の過去の私が影プリキュアになって襲ってくるという、中々スゴイお話。戦う新しい私たる自分は「変わった」象徴のプリキュア衣装で、影さん達は「変わってない」を象徴する通常衣装なのも徹底しています。

 影の私も私なんだもん(来海さん)

 両方とも大切な私(いつきさん)

 私は悲しみを背負って生きていく(ゆりさん)

 結論は、来海さん、いつきさん、ゆりさんに至っては、「鏡の国」における夢原さん解。しっかりと過去の自分を仕留めて見せたうららや水無月先輩に対して、夢原さんだけは闇夢さんを救おうとしてしまうというのがあの哲学的な映画でした。さらにあの映画は「それでも夢原さんも闇夢さんを救済できない」という所が深刻に深いんですが、今回の来海さん、いつきさん、ゆりさんは過去の自分の救済に成功したかに見える。

 もも姉を羨んだ来海さんも来海さんだし、「可愛いものが好き」を抑圧していたかもしれないけれど、明道院流で強くなろうと思った自分も時間も、いつきさん自身のもの。ゆりさんもコロンが消滅する前に認めてくれたように(「自分を認めるんだよ、ムーンライト」)、孤独だった頃のゆりさんもゆりさん。

 この流れは「鏡の国」でどうして闇夢さんは救われないのとジタバタしていた視聴者達には中々の涙腺展開。過去の自分を抱きしめて救いきることは、できる。「内面が変わってから外見が変わる」という繰り返されたハートキャッチ文法ですが、内面が「過去の(影の)自分を認める」に変わった結果「スーパーシルエット」っていう新フォーム(外見)に変わるのか。熱い展開です。確かに過去と断絶してるよりも、過去の自分の力も今の自分の力に変換できるのなら、それは強い。

 そして、一週引っ張る花咲さんだけは、単純に過去の自分を認めるのに苦戦しているのか(彼女が一番「変われない頃の私」を許容しくいというのは分かる)、それとも他の3人とは別解答なのか? という物語の牽引力。

 花咲さんだけうららと同じ解答(理想の自分が先にあるので、過去の自分にかまってられない)……とかでも熱いし、花咲さんだけ夢原さん&闇夢さん展開(過去の自分を救済はできないけれど、過去の自分自身が今の自分が先へ進むのを望んでいる)……とかでも熱い。予告で花咲さんもシルエットフォームにチェンジしてるので、何らかの形で過去の自分、変われなかった頃の自分に決着はついて変身するんだと思うんですが、一週引っ張った分楽しみです。そしてシャドウ花咲さんの魅力が異常!

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→前回:第36話「みんなが主役!私たちのステージです!!」感想へ
次回第38話「プリキュア、スーパーシルエットに変身ですっ!!」の感想へ
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