「木端微塵にしてくれるぜよ」(クモジャキー)

 ハートキャッチプリキュア!第41話「妖精が変身!?プリキュア劇団はじめました!!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。

第1位:月影ゆり問題

 一見この終盤時期にやらなくても良いような普通のエピソードに見えながら、最後の引きで傷ついたダークさんが再登場して、つまりは「最後のゲストキャラ登場」+「最後の話の幕が上がった」的なエピソードだったんだろうと。今話劇中で、単体のゲストキャラのノリコ先生と、シリーズ通しでのゲストキャラのダークさんが重ねて描かれていました。

 「ダークさんが必要だ」と声をかけるラストシーンのサバーク博士。そして、「ノリコ先生の悩みの種を作っているのはゆりさん&ゆりさんがノリコ先生の代わりになってしまう」という今日のお話。おそらくは、ダークさんの悩みも色んな文脈が最後にそこに集まっていくにしろ、基本的には「必要とされたい」「月影ゆりの代わりは嫌」なんだろうと。

 ダークさんは月影ゆりの代わりは嫌。ゆりさんは独りで頑張ったあげく最後に「私の代わりを探して」としか言えなかった&お父さんは自分の代わりを求めていなくなってしまったのかもしれない。

 つぼみはえりかに「私の代わりを探して」と言ったけど、えりかはつぼみに「つぼみの代わりはいない」、と答えた。

 デューン様は初登場時に、サバーク博士に対して「お前の代わりはいる」というような発言をしている。

 最終戦の思想戦の形は既にだいぶ見えていると思います。「変わる」がテーマだったけれど、変わらないもの、変えてはいけないものもあるんじゃないかというような話だ。

 心が無くなった世界を目指して活動し、人造存在であるダークさん(現時点では心がないかもしれない人)を造ったであろうサバーク博士の心境を思うと、やっぱりこの物語の主人公は、親の決断で優先された(あなたに代わりはなく、必要だと思って貰えたということ)花咲さんだとも言える。特に何をした訳でもないけれど、存在自体が「心はなくてイイ」とか「あなたに代わりはいる」とか「あなたは必要じゃない」とかを反駁しているので。

 そこにTVシリーズの圧縮編になっている劇場版を考えるに、

「<劇場版のコアなネタバレ>
・花咲さんはルーガルーでしかなかったオリヴィエに名前を付けた。ダークさんの名前は? ダークさんの心の花は?
・オリヴィエが男爵に本音が言えなかったように、ダークさんも博士に本音が言えない。
・母がいないオリヴィエは花咲さんに母を見た。母不在のダークさんは?


 といった話が関わってくる。そういう意味で、最後のゲストキャラはダークさんでもあるし、サバーク博士でもある。

 そんな二人を救えるとしたら、物語冒頭でこの問題に関しては救われている花咲さんかもしれないし、今までのエピソードの、名も無き人達が似た問題を抱えながらも、変わってみせた事実かもしれない。なみなみも(今話になみなみが出てくるのもたぶん意味がある←母不在ネタや両親ネタ。なみなみは母不在問題や本音が言えない問題と言ったダークさんも抱えているであろう問題を何とか乗り越えた人だ)、三浦くんも、番くんも、父の日回の娘さんも、etc...この問題に関して、ダークさんが抱えてることを、一部でも乗り越えて見せた人達なのだから。プリキュアさん達は特にそれぞれの人達の問題の核心部分については何もできなかったけれど、じゃあ何をしていたかと言ったら、「私達? 通りすがりのプリキュアよ」というちょっとだけの縁の、ちょっとだけの助力だった。ここまでの物語で埋まったピースで、ダークさんとサバーク博士を救えるのか、最後の一連のエピソードを楽しみにしたいと思ったのでした。

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