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 「Ninja Girl!」(Brian Taylor)

 スマイルプリキュア!第36話「熱血!?あかねの初恋人生!!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:メルヘン時間

 日野さん、走る。

 ウルフルンさんのいつか別れて終わりだ、という所までは誰も反論できないのが切ない。劇中に緑川さんの家族、スマイルの5人、などいくつか「やがてバラバラになる」が示唆されてる児童時間(メルヘン時間)の連帯の組がおりますが、今話の日野さんとブライアンの関係というのも、その手のものに過ぎない。ウェンディもピーターパンと結婚はしないし、アンと児童時代の友人たちも大人になってからは会わない。

 みゆきさんがキーパーソンなのが良かったですよ。現実が厳しいのを知りながら時間限定の絵本時間を愛好する子。アンとダイアナ時間に憧れて、手に入らなかったし手に入ってもいずれ終わるから、でも他人のそんな時間を守ろう、という子。

 日野さん自身が自覚してる「だってどうせもう会うこともあらへんやろ」から、みゆきさんの「本当にそれでいいの」「でもそれが意味がないなんて、そんなの寂しいよ」までずっと涙腺ターンであった。初恋も夏休みも絵本時間も家族時間もプリキュア(え)もいつか終わるなんて知ってるけど、ウルフルンさんに意味を問われても今は答えられないけど、とりあえず「それが無駄なわけあってたまるか」と走ってみる。

 学園祭エピソードといい、児童時間的共有体験、人と人との繋がりが無謬に感じられたような時間は、やがて終わるからこそ、その時間だけは一緒にいたい、いたい人がいるなら守りたい、という話が多い。だいたいキーパーソンはみゆきさんなんだけど、第7話とか今から思い返すと凄いな。それが時間限定のメルヘンだとどこかで知ってるから。でもそれが尊いはずだと信じたいから。幼少時の秘密の場所でアンとダイアナ時間を育んでる幼い女の子二人を、自分は引いて尊重したのか。

 映画『NS』がそうだったのだけど、今話あたりから、いよいよ自分たちの児童時間が終わりに向かう中、児童時間、信じていたかった理想の価値、メルヘン時間としての友情や繋がり、そういうものを守る側にみゆきさん達が回り始めたと感じた。どうせ終わるし、もう会うこともないし、その後は厳しい現実が待ってるとしても、メルヘン時間は時間限定で大切だったと信じたいから、と日野さんがブライアンに会いに行くのを守ろうとする四人が熱かったですよ。深読みすれば日野さんが途中で髪留めを外すのは「児童時間の終りに向かって走っていく」比喩でしょう。それが尊いものだと信じたいから、自分がずっとそこにはいられなくても、守るよ、というヒーロー性。

 映画公開のタイミング的にもばっちりなエピソードでありました。ゲストキャラが絵本の妖精で林原めぐみさんボイス(今の大人視聴者の児童時間のヒロイン役に縦横無尽だった閣下)ですからね。「でもそれが意味がないなんて、そんなの寂しいよ」。まったくその通りです。みゆきさんがペガサスかフェニックスか天使かしらず羽的な上位フォームになってるのは古典物語(絵本)としてのプリンセスフォームから、神話へ、みたいな感じなのかな。物語は終わり当時の語り部も読者ももういないし、今の作り手も読み手もやがて消えゆく定めなれど、それを無意味だったとは言わせない、というような。

→色々

映画スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ! オリジナル・サウンドトラック
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映画スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ! テーマ曲収録シングル
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