「またしればっくれてるんじゃないケル」(ラケル)

 ドキドキ!プリキュア第18話「出現!さいごのロイヤルクリスタル」の感想です。
 ◇

 今回の見所ベスト1。


第1位:アン王女と相田マナさん

 最近ちょくちょく書いているように、やはりアン王女とマナさんが重ねて描かれてるのではと今回も改めて感じました。

 アン王女様、競技かるたに彫刻に、と「あらゆる世界の文化に興味をしめし」ていたのが、どうしても、けれども、「他人、他所(他文化)ばかりを優先して、自分の物語がなかった」、に読めてしまう。肝心の自国は滅ぼされてしまったし、ジョー岡田と一旦別れてるのもそっちの「他者志向」に映る。ちゃんと良い意味での自分があったなら、あるいはもっと行ってジコチューを貫ける人だったら、他のことなんてどうでもいいからとジョー岡田との愛をとったのではなかろーか。この辺りが、「(部活などで)助っ人ばかりで自分の物語がない」「全員に愛を分け与えんとして、一人の人に愛を注力できない」相田マナさんととても重なって見える。

 結果、アン王女様のエピソードは、最後にアン王女が他人(真琴)のために自分から手を離して(リンクを切って)バッドエンド。そして、そんなアン王女と重なるマナさんも、このままだと他人のためにのみ突き進み、溶鉱炉行きの『幸福の王子』バッドエンド解釈エンドが見え隠れ、する。という物語構造。

 遠景の「アン王女とのリンクを取り戻す」物語が、近景のマナさんの物語とリンクしてるっていう作品だと思うのですね。アン王女を救済し得るなら、マナさんも他人志向破滅エンドとは、別の未来へ進め得る、みたいな。

 マナさんは最後どうなるのか、今から既に劇的な感じでワクワクします。自分、自分の物語を見つけたりするのか、それとも、あくまで助っ人で自分の物語はなかった、それでも大切だと思うから人と人とのリンクは守るよ、みたいなヒーロー像に収斂していくのか。映画オールスターズNS2みたいに、自分がないかのようなリンクの守り人だったんだけど、振り向けば、繋がっていたリンクに支えられていた……みたいな方向に向かって行くのかなー。

 そして、今回もいつにも増して、ジコチューもただの悪じゃないよなーとしみじみするジコチューでありました。ロックなこと言ってる汽車ジコチューだったんですが、「嫌々ながら敷かれたレールのみを走るなんて違う、誰かに迷惑をかけるかもしれないけれど俺は俺の道を行く」は十分近年の創作作品の正義としてあり得るよな。メイン想定年齢層的にそこまではやらない気がしますが、ジコチュー・イズ・マイジャスティスのダークヒーローレジーナが、綺麗事的な(に映る)相対正義のヒーロー相田マナを一旦は撃ち抜く、くらい行っても物語的には盛り上がりそう。

→『映画プリキュアオールスターズNS2』のBlu-ray&DVDが予約開始

映画プリキュアオールスターズNew Stage2 特装版Blu-ray
映画プリキュアオールスターズNew Stage2 特装版Blu-ray [Blu-ray]

映画プリキュアオールスターズNew Stage2 特装版DVD
映画プリキュアオールスターズNew Stage2 特装版DVD [DVD]

→前回:ドキドキ!プリキュア第17話「ショック!奪われたクリスタル!」感想へ
→次回:ドキドキ!プリキュア第19話「クリスタルをかけて!ジコチューのゲーム!」の感想へ
ドキドキ!プリキュア感想の目次へ