「それなら金魚掬いあらしと呼ばれた私に任せて」(相田マナ)

 ドキドキ!プリキュア第28話「胸がドキドキ!亜久里の夏休み!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:リンク

 第23話では、ハートキャッチ方式で、謎の外部からの思いがけない助けである亜久里にマナさんが助けられた。そして、今回は亜久里の方が、外部の人で、深い事情を(表面上は)存じない人である森本エルさんに助けられる。

 そんな森本エルさんを、またかつて亜久里が何気なく助けていた……という構図。色々と助けて助けられてが繋がっていってるのですが、何となく、いよいよ物語の本筋であろう、このままじゃ『幸福の王子』(今回久々に言葉としても出てきておりました)として、一方的に愛を散布したままで破綻するであろう、相田マナバッドエンド回避の話に入りはじめたのかなと思いました。今回の亜久里と森本エルさんの関係は、おそらくこれまで愛を散布してきたマナさん(『幸福の王子』)と、それを受け取ってきた一般人……に対応するように比喩されてるよね。

 本作での童話『幸福の王子』の解釈では、おそらく王子は一方的に愛を散布しただけで、民衆からはリプライとしてのリンクがなく、孤独に溶鉱炉行きになりました。 ディスコミュニケーションでしたって感じだと思うのですが、物語序盤やら中盤のレジーナ関係の山場やらで、印象的に「落ちていく人に手をさし伸ばす姿」(『幸福の王子』的に愛を散布する姿)が描かれていたマナさんに対して、今回はマナさんと重なる亜久里が、逆に昔助けた人である森本エルさんから手をさし伸ばされるのね。これは、リプライであって、ディスコミュニケーションがリンクによってちゃんと双方向化している。分断が乗り越えられ始めている。

 そういうわけで、この物語の焦点は、


1. 予感として物語に組み込まれてるマナさんの破綻にあって、マナさんの方がリンクに救われ得る。
2. 何らかの破綻の救済は、当初のプリキュア4人だけの閉じた関係だけで行われない。外部とリンクする。


 なのかなと思い始めています。

 そして、これだと重要キャラはセバスチャンですよ! 今回の話がそもそも、守り、守られていることと、この前のセバスチャン回っぽかったんですが、やっぱりセバスチャンとか今回の森本エルさんとか、「外部とのリンク」を今後さらに重要要素として扱っていくんじゃないかな……。

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