「スペードのカード?」(菱川六花)

 ドキドキ!プリキュア第45話「宿命の対決!エースVSレジーナ」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:助けを求める


 第31話(感想)とセットな感じで、「遠い悲しい事が起こった(起こってる)場所」について。現実的には遠くの戦争や貧困がある地域とか、企画が始まったであろう頃の世情的に国内の被災地とか、そういう場所を意識してトランプ王国は設定してるのだろうと思ってるのですけど。

 そういう「悲しい場所」について。一般人側からすれば、第31話のように、「その悲しい場所ともリンクしていて他人事ではない」がメッセージなのだろうし、逆に今話のトランプ王国メンバーのように「悲しい場所」にいる側からすれば、「かなぐり捨てて外部に助けを求めよう」がメッセージになる。真琴カッコよかったよ。よくぞスペードのカードを残していた。物語全体上の、真琴の一番の見せ場、キャラクターの役割の全うは今話だったのではという勢い。


 「誰か助けて! マナ!」(キュアソード)


 今回の真琴の立ち回りと、この台詞のシーンが、『映画プリキュアオールスターズNS2』のみゆきさんの立ち回りと重なるようになっている。自分たちだけではどうしようもなかったみゆきさんが、ドキドキ!組に「助っ人をお願い」ってエンエンに伝言を頼むシーンね。制作時系列的には、映画NS2の方が、例年通り、TVシリーズドキドキ!本編の主題を先取りして凝縮して描いていたってことだと思うのですけど。そしてあの映画の時もそうだったように、この真琴の叫びから、「助っ人オブ助っ人」、相田マナ降臨の絵は熱すぎた。マナさんカッコ良すぎる。しかも天空から降臨する夢原さん登場。プリキュア5GoGo!の「あなたに会いに行く」のテーマ上、その後の映画『映画プリキュアオールスターズNS1』の夢原さんの「最後の助っ人」の役回りを本歌にもしてる感じで熱い。

 マナさん側の視点からすると、ずっとマナさんについて回った「全員は助けられない『幸せの王子』」という物語の、最終版が始まった感じがする。秋の映画の「悲しい過去」、お祖母ちゃんのもとに駆けて行った間に、マシュマロは死んだ。全員は助けられない。それから始まった助っ人オブ助っ人、幸せの王子人生、第11話(感想)など、その後も「全員は助けられない」「どちらかしか助けられない」という場面には何度も印象的に遭遇。その物語が最終章、「亜久里とレジーナのどちらかしか助けられない」という話に収斂されていく。

 解法は第32話(感想)の頃からずっと書いてるように「リンクによるリソースの追加」っていうことをこの作品では描こうとしてるのだと思ってるのだけど(詳しくはこちらの記事→プリキュア雑記(2013年9月5日/テーマが光り始めるこの時期))、秋の映画の過去パート時点のような、マナ、六花、ありすはもう力が限られていた子供ではない。その後の物語を重ねた後、マシュマロを切り捨てないで済む「その次」を目指す時がきた。

 これ、三人がトランプ王国に来る前にセバスチャンとかにも連絡済なんじゃないの? めちゃめちゃ熱い。ラスト4話期待。

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→レジーナ様



→前回:ドキドキ!プリキュア第44話「ジコチューの罠!マナのいないクリスマス!」感想へ
→次回:プリキュア雑記(2014年1月5日/『ハピネスチャージプリキュア!』について)
→次回:ドキドキ!プリキュア第46話「エースとレジーナ!誕生の真実!」の感想へ
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