「なんでジャージなのよ?」(白雪ひめ)

 ハピネスチャージプリキュア!第7話「友情全開!!二人の新たなる力!!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:愛情がこもった食べ物を一緒に作る


 前回、食べ物を通して愛情が伝導していく、というのを描いていたのから続いているように、ひめのケーキ作りを通して「愛情」について描いていた感じ。

 ドキドキ!から繋がってる感じがする、「宝石を配る幸せの王子と、受け取って立ち上がる街の人達」のモチーフからすると、前話でただパンケーキを食べたいと駄々をこねたり、ゆう子から飴やらごはんやら貰っていただけの時は、宝石を一方的に受け取ってるだけの「街の人」的。その点、今話では自分で作って他人に与える側に回っているわけだから、幸せの王子に向かいはじめた、立ち上がり始めた街の人になり始めている感じ。

 で、配る宝石、つまり今話のケーキをひめが自力で作ろうとするんだけど、なんかそれをやみくもに手伝おうとするめぐみさんが、ちょっとネガティブなニュアンスを感じたりもするのね。ずっと、相手の気持ちを考えないで世話焼き過ぎる、という欠点がめぐみさんにあるのが劇中で誠司くんから指摘されていたりもするのだけれど、今話もその流れにあった感じ。これまたドキドキ!的な比喩をもちだせば、相手のこと考えないで勝手に宝石配るのはどうなの? やみくもに宝石を受け取ってしまった街の人がダメになるケースもあるんじゃないの? みたいな話。

 そういう意味で、配る宝石、今話のケーキをひめが自力で作る点にスポットがあたっていたのは何か良かった。手伝うよ、はもちろん大事な姿勢なのだけれど、どこか当人の力を信じてなくて、当人が自力で立ち上がる機会を奪う、という側面もあったりするのかもしれない。それでは、どこか作る(配る)側と、受け取る側が、対等じゃない。

 そこをお互いに気持ちの内を伝え合って、二人が対等のプレ幸せの王子になるまでのエピソードだと思いました。登場した二人必殺技の決め台詞に"Deliver(届けるとか、伝える)"が入ってるのも、もう直接的に、めぐみとひめ、二人で一人の同格の愛を届けるプレ幸せの王子さ、的なノリだったんじゃないかと。ラストのケーキ入刀は、結婚モチーフで同格の二人、これから一緒に頑張っていく二人感が出てたと思いました。

 愛を届ける人としての幸せの王子オブ幸せの王子だった相田マナさんは、やっぱり凄くて最後はパルテノンモードでスーパーヒーローになれる人だったんだけど、続く「立ち上がりはじめた街の人達」っぽいめぐみとひめは、そこまで単独の超人的幸せの王子じゃなくて、二人組のプレ幸せの王子さ、というのは「ふたり」がキーワードから始まったシリーズだけに、10周年作品として良い感じ。

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 話題のプリキュア10周年歴代プリキュアさん企画。今回はアクアさん。これも、アクアソード登場回である『Yes!プリキュア5』第34話「ミルクを守れ!白馬の騎士かれん」の感想にリンクを張っておいてみます。今話との連想はやはりソードでしょう。

 『映画プリキュアオールスターズDX』三部作に『スマイルプリキュア!』の監督だった大塚監督の演出回としてもファンの間で有名な回。確か『プリキュアシンドローム』に、鷲尾プロデューサーにはアクアリボンを剣にするのは反対されたんだけど、様式美として成立させることで何とか慣行した、というエピソードが掲載されていたはずです。

 後に、もう大塚監督プリキュアにソードで剣劇させるの大好きになったのか、『スマイルプリキュア!』ではビューティさんが剣劇無双。こういう、ちょっとコアにプリキュアシリーズの歴史が語れちゃうのも、この10周年企画良いと思います。

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→前回:ハピネスチャージプリキュア!第6話「リボンの優しさ!!料理って愛情なんです!!」感想へ
→次回:『映画プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち』の感想へ
→次回:ハピネスチャージプリキュア!第8話「友情の危機!!ミスフォーチュンの不吉な予言!!」の感想へ
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