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 ハピネスチャージプリキュア!第21話「ひめの過去の過ち!怒りのキュアフォーチュン!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:墓場から


 今更ですが、今年は夏の第一次クライマックス(夏の玩具商戦含む)にキュアフォーチュン編を持ってきてるのですね。

 姉の代替物として孤独に戦う妹。シリーズディレクターが長峰監督ですし、今話なんかコンテも長峰監督だから特にですけど、『ハートキャッチプリキュア!』からの文脈を感じます。夏のクライマックスが姉(ハートキャッチの時は兄)の代替物として過ごしていた妹が目覚める瞬間を切り取る、というのも『ハートキャッチ』と同じ。伝説のキュアサンシャイン登場5000枚バンクに匹敵する映像を期待。

 『ハピネスチャージプリキュア!』は番組開始当初から、ちょっとたまたまとは思えないレベルで『ハートキャッチプリキュア!』っぽい演出とか要素が入っていて、こういう場合作り手の業として自然と似てきちゃうケースと、何か重ねる部分を出すことでメタに表現したいものが意図してあるケースとがあると思うのですが、両方あるにしても、後者がかなりある気がしています。

 まず、ダークさんの救済がやりたいんじゃないかな、と。最後は物語として昇華していたけれど、消滅してしまった点で、やはりダークさんは犠牲になった感が拭い切れない物語でありました。ダークさんの半分の心の種をゆりさんが受け取る、という展開は美しいけれど、いや、ここ最近の「リソースの追加」の観点からいうと、ダークさんが生き残ってくれた方がいいんじゃないの、というような。

 もう一つは、今作のモチーフが「鏡」だからですけど、『プリキュア5』の映画『映画Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!』(感想)の文脈ですよ。自身の「過去」である所のダークドリームさんは、夢(未来)を追う過程で消えてしまった、水晶(鏡)はヒビ割れている、という残留感……という映画ですが、これも、ダークドリームさんは消えて切ない、で終わりでいいのか、的な。

 そもそも『ハートキャッチ』の第37話(感想)、第38話(感想)が、明らかに『映画Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!』を本歌にしていて、つぼみがダークドリームさんと重なるダークつぼみさん(過去の自分)を抱きしめる、ということを描いていたわけですが、『ハピネスチャージ』は、さらにその先。

 今回「プリキュアの墓場」が出てきて特に思ったのですが、そういうお墓に入った的、これまでのシリーズで消滅せざるを得なかったプリキュアの、救済、というか有効活用(え)。これか? と感じ始めております。

 過去のプリキュアたちが困難な現在にあたって力を貸してくれる、までは、メタフィクションとして『ドキドキ!プリキュア』までで描いた。次は、消えてしまったプリキュアさんからも、何らかの助力をゲット。「リソースの追加」、もう、ダークさんも、ダークドリームさんも、闇花咲さんも、みんな来いよ! みたいな。ここ最近の主題が「過去の過ち」なのも、ダークさん達に通じますし。

 そんな感じで、フォーチュンさんも姉の代替物として孤独に消えたりはしないし、これまで敗れてしまってプリキュアの墓場にいる皆さんも、何か助力してくれるみたいな展開なら熱い。あんまり直接描くとゾンビ的な(笑)方向になりますが、今では亡くなってる先人が残してた諸々を困難な現実を戦うリソースにコンバートしていく的な比喩だと、熱いんじゃないかな、などと思って観ておりました。

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→前回:ハピネスチャージプリキュア!第20話「悲しい過去!!キュアフォーチュンの涙」感想へ
→次回:ハピネスチャージプリキュア!第22話「新たな変身!?フォーチュンの大いなる願い!」の感想へ
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