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 「みんなの願いを叶えたい。この手で」(氷川いおな)

 ハピネスチャージプリキュア!第22話「新たな変身!?フォーチュンの大いなる願い!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:プリキュア


 僕は『仮面ライダー鎧武』も観てるからですけど、「誰かを助けるならば、誰かを犠牲にしなければならない」という現行の世の仕組みにあたってどうするのか? というのが一つの主題になってるのが、『鎧武』も『ハピネスチャージプリキュア!』も重なっておりました。『ディケイド』の頃が『プリキュアオールスターズ』隆盛だったり、意外と仮面ライダーとプリキュアのテーマが重なるというのはこれまでもあったのですが、2014年の文脈でここも重なってくるのかと。

 前回の感想で書きましたけれど、これまでのプリキュアシリーズでも、犠牲になったポジションというのはある程度いるわけです。『映画Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!』のダークドリームさん、『ハートキャッチプリキュア!』のダークプリキュアさん。彼女たちは救えなかったけれど、生き残った夢原さんにゆりさんは進んでいく。切ないね。と、それでイイのか、みたいな話。

 キュアテンダーは犠牲になり、氷川いおなは助かった。お姉さんを助けるために願いを使えば、友達の願いは叶わない。プリキュアハンターを消せば誰かが助かる。でもそれも、誰かが助かる代わりに誰かを犠牲にしている。

 そんな、『鎧武』風に言うなら、「希望の対価に必ず絶望を要求する世界のルール」に対して、今話の、「願いが叶う」というシチェーションでの氷川さんの心理。


 誰かを助けるとか、誰かを消すとか、そういう願いではどこかに不幸が残ってしまう。

 私はみんなを助けたい。みんなの願いを叶えたい。この手で。



 そんな絶望的な世界に対する解答としての願いが「プリキュアになる」だったのは熱かった。『ハピネスチャージ』の世界観に突入してから、数も増えたしプリキュアに変身できるくらいは当たり前、それも弱くて倒されまくり。実際、作品のテーマ的には「プリキュア以外の一般人の助力も必要」という方向性。でもそれはそれとして、ここでもう一度希望の象徴としてのプリキュアになる。いわばプリキュアの再契約。

 例年春の『オールスターズ』映画がその年のTVシリーズの先取りになってるのを考えると、今話のシーンは映画の夢原さん(希望のプリキュアだ)のシーンに対応でしょう。希望の象徴としてプリキュアがいて、そんな存在から希望を受け取った一般人(映画ではユメタ君)が、立ち上がる。そんな存在がプリキュア。

 そこに、姉から愛を受け取って、友達から優しさを受け取って、今度は自分がみんなに幸せを与える存在になってみせる……という『スマイル』〜『ドキドキ!』ラインの、自らがメルヘン(理想)を体現する存在となり、そんな「幸せの王子」となった者から愛が伝導して、世界は変わっていく……がリンク。願い事で敵を消すんじゃなくて、あくまで自身が希望(メルヘン)となり、そこから愛の伝導の『ドキドキ!』理論で対抗。冷静な視点からも、敵の消去は新しい強敵が現れたら終わりですが、自身が希望になるは、希望の連鎖を起こせるという世界観上、広範囲に有効です。

 しかし、この「真のプリキュアになる」的な展開を、めぐみさんじゃなくて氷川さんでこの話数でやってしまう辺りに、いよいよ今年も凄そうだな感を感じ始めました。めぐみさんのメイン物語はまた別に(例年なら32話〜34話とかその辺り)で描くってことでしょ。楽しみなのです。

 しかし、『鎧武』的に紘汰ポジションに氷川さんがなる。そして、それって夢原さんとかだったよね、というのは、日朝タイム満喫体験でありました。残酷な世のルール自体を突破し得る希望の存在はきっとあるっていう物語は、やっぱり良いですね。

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→前回:ハピネスチャージプリキュア!第21話「ひめの過去の過ち!怒りのキュアフォーチュン!」感想へ
→次回:ハピネスチャージプリキュア!第23話「超キンチョー!いおなとひめ、はじめてのおつかい!」の感想へ
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