- ブログネタ:
- Go!プリンセスプリキュア に参加中!
前回の前篇で自分の夢を犠牲にしてかりんさんを助けたきららさん。その姿は、ここ最近のシリーズで顕著な、『宝石を配って回った幸せの王子と宝石を受け取って立ち上がる街の人達』モチーフからすると、街の人(かりんさん)を助けたものの、自分自身は溶鉱炉行きになってしまう「バッドエンド幸せの王子」のごとしだったのでした。
「幸せの王子」は素晴らしいけれど、自己犠牲というのも違うというここ数年のシリーズの蓄積も受けて、じゃあ、どうすれば「幸せの王子」自身も犠牲にならないで自分の夢を追えるのか、というのが描かれたのが今回の後篇。
それは、『ドキドキ!プリキュア(感想)』終盤の物語を受け継いでいる感じで、「幸せの王子に助けられた人が、立ち上がる」というもの。街の人が立ち上がってくれたのなら、「幸せの王子」は身をすり減らして助けて回ることなく、自分のこともできるという流れです。
加えて、『Go!プリンセス』では「立ち上がった街の人が、幸せの王子を助け返す」まで一歩進んで描かれてる感じでしょうか。カナタ王子(幸せの王子)に助けられたはるかさんが、後にはカナタ王子を助け返すのしかり。今回の、前回きららさんが夢を守ったかりんさんが、今度はきららさんの夢を思い出させてくれる展開しかり。
『ドキドキ!』は終盤の一般の人達が立ち上がってくれる所がとても熱かったのですが、いわゆるモブの人が明確にマナさんを助け返す所までは薄かった気がするのですよね(六花やありすたち、プリキュア組は明確にマナさんを助け返してるけど、かるたクイーンさんとか純くんとか、いわゆるモブ組が明確かつ直接的に助け返してる所までは薄め。ばーっと、立ち上がった街の人達の愛の光が街アカリになる所までがクライマックス。ひいて言うなら二階堂君は明確に助け返してるかもしれないけれど、二階堂くんは単純なモブとはちょっと別ポジションの感じ(参考:プリキュア雑記(2013年9月16日"二階堂くんのポジション")))。
また、きららさん自身が、かりんさんに幼い頃の自分を重ねる演出が入ることで、きららさんは疑似的に母ステラの気持ちを感じているのですよね。母の気持ち、「幸せの王子」の気持ち、こうだったのかと。だとしたら、母は娘の姿を見てモデル辞めると言っただろうか。それは否なので、かりんさんのためにも、それと重なる過去の自分のためにも、自分は夢を追わないといけない。
夢か、プリキュア(と関連する友達とか他者との関係性)か問題。リソース不足が要点だったわけですが、自分自身が夢を追う過程でできた仲間たちが(立ち上がってくれて)支えてくれるから、結果としてその「支え」リソースで夢追いも続行できるという、理想の「構造」に。夢は一人で成立するものではなく、伝播して立ち上がり合い、支え合う周囲の人達との関係性の中で存在しているもの。そのために、一般人の平野君が傷を負っても自分の舞台を全うすると立ち上がる第37話「はるかが主役!?ハチャメチャロマンな演劇会!」(感想)とか、特にプリキュアではない一般人だけど地力で絶望の檻を破りかけるゆいさんが描かれる第41話「ゆいの夢!想いはキャンバスの中に・・・!」(感想)などのエピソードを積み重ねてきたわけで、劇中としてはこれでもかという解。
現実だと、うーん、本当にみんな立ち上がってくれるのかな〜感もあるわけですが(え)、そこは、『ドキドキ!』OPの歌詞、「君を信じる。ために戦う」なのだった。立ち上がってくれる君だと信じてる。だから戦う(今作なら夢を追う)。『ドキドキ!』の時はマナさんの立場って感じで聴いてたけど、今作なら、きららさんは立ち上がって次の「幸せの王子」になると信じて、自身はトップモデルとして輝き続ける道を行こうというステラお母さんの心情になんかも聞こえますかね。
●『映画Go!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て!!!』の感想へ
●『ドキドキ!プリキュア』のマナ×六花二次創作SS
→『フレッシュプリキュア!』のBlu-rayBOXがついに登場(TVシリーズ放映当時の当ブログのタイムリー感想)
アニメイトTVさんのこちらのキャストさんインタビュー記事がグっとくるものでした。↓
●『フレッシュプリキュア!』6年ぶりだから話せるカミングアウト!?/アニメイトTV
六年経っても再会できるという辺りに感動。作品という共有体験が、断絶するような出来事(2011年)があっても人を繋ぎ続けるという、その後のプリキュアシリーズや平成仮面ライダーシリーズのテーマの一つを地でいっておられる。
→前回:Go!プリンセスプリキュア第42話「夢かプリキュアか!?輝くきららの選ぶ道!」感想へ
→次回:Go!プリンセスプリキュア第44話「湧き上がる想い!みなみの本当のキモチ!」の感想へ
→Go!プリンセスプリキュア感想の目次へ