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ネタバレ注意です。
第1話から続いて「当初イメージしていた未来が思ったように実現できない」という話が今話でも描かれます。
輝木ほまれさんの「イメージ=もう一度跳ぶこと」。これが、実現できません。
自分自身がもう一度跳びたいと思えるところまではイケたのですが。おしい。一人では跳べない。
同じ「思ったように実現できない」でも、第1話冒頭のはなさんの「イメージしていた通りに前髪が切れなかった」に比べて、苦しいニュアンスです。
この違いは?
今回、ほまれさんが苦しいのは何故なのか?
ポイントは、今話ではほまれさんに対する周囲の期待が描かれていることです。
噂するクラスメイトたち、梅橋先生、ケガをした時の周囲の視線、みんな本当は応援してくれてるのだと思うのですが、同時にみんな「フィギュアでもう一度跳ぶ輝木ほまれ」という「固定された一つの未来」をほまれさんに望んでしまっています。
第4話までで、「未来は一つじゃなくてよい(=なんでもなれる)」が今年の一つのテーマというのが見えてきていますので、応援自体はよいことでも、このみんなしてほまれさんに「固定された一つの未来」を求めてる図は、ほまれさんの心を追い詰めてしまってると描かれているように思います。
敵側がデータを使って、データ通り(固定された一つの未来)を他者に求めてるのと、同じ方向になっちゃってます。
で、同じ「応援」でも、はなさんだけはほまれさんに「フィギュアでもう一度跳ぶ輝木ほまれ」を求めずに、外見が美しいとか、ほまれさんの別の要素(可能性)に視線を向けて応援しているのですね。
つまり、(おそらく次回ですが)ほまれさんがもう一度跳ぶのに必要なことは……。
フィギュア選手として成功した輝木ほまれさん以外の未来(可能性)も、オッケーだって言ってあげることなんじゃないでしょうか。
みんながもう一度フィギュアスケートで活躍する輝木ほまれ……と、「固定化されたイメージ(未来)」を押しつけてくると、逆に飛べない。また期待(応援)を裏切ってしまったら? と思ってしまうから。
だから。
違う可能性(未来)もオーケーだよと言ってあげること。
おそらく、このほまれさんの他の可能性(未来)も受容してくれる場所として、野乃はなさんの存在の他に、(未来の)セーフティネットとしてのビューティーハリー(色んな姿になれる、なってよい)という場所……が今話で物語として同時進行しているのだと思います。
一つの未来を目指して失敗しても、受け入れてくれる場所、というのは、第3話のはなさんのお母さんが言うところの、
「一人で大変でしょう。困ったことがあったらいつでもきて」(野乃はなさんのお母さん)
的な場所です。
また跳べなかったとしても、パスを出せる相手として後ろにいてくれる野乃はなさん。(今話のバスケのシーンね)
また跳ぶという一つの未来に失敗しても、セーフティネットとして他の未来の可能性を受け入れてくれる場所としてのビューティーハリー。
これらで、別にフィギュアで成功する輝木ほまれ以外の未来でも受容してくれる態度で、あらゆる可能性の輝木ほまれさんを「応援」してもらってこそ、逆説的にもう一度「跳ぶ」という未来に挑戦できるのだと思います。
もしまた跳べなくて挫折しても、周囲の期待に応えられなくても、ビューティーハリーで店員やってもイイし、オープニングの色々な未来の職業に変幻する登場人物たちみたいに、キャビンアテンダントでもイイし、別に何でもwイイ。
子育てプリキュアさん視聴者勢は、お子さんの未来を「固定的に」捉えることの危うさという教訓だゾ、これはw
お子さんがおもむろにYouTuberになりたいと言い出しても、セパタクローを習いたいと言い出しても、まずは無言でHUGして可能性自体はフレフレ。今の時代の親御さんは大変だ……。
自分がおもむろに会社辞めたくなっても、オーストラリアで羊を育てたくなっても、まずは無言で自分で自分にHUGして可能性自体はフレフレ。AI時代の仕事も大変だ……。
その人のどんな未来(可能性)でも受容しよう。その「楽さ」があって、そういう方向の「応援」があって、その人(挫折、一度「イメージしていた通りの未来」を失敗した人)はもう一度「跳べ」るんだと思います。
第1話のはなさんの「イメージしていた通りに前髪が切れなかった」が、今話のほまれさんに比べて楽な感じなのは、セーフティネットのお母さんが機能してるからです。こっちは、すぐに別に前髪切るのに失敗したはなさん(当初の想定とは別の未来になっちゃったはなさん)でもお母さんは愛してくれているというのが描かれています(ふたりでHUGするところね)。
そんなセーフティネット的なポジションのお母さんを受け継ぐように。
野乃はなさんの「応援」の本質は「一つのイメージした未来に向けてがむしゃらにがんばれ」系の応援ではなくて、「未来の可能性はたくさんあるし、(たとえ当初のイメージとはちょっと違うことになっても)どれでもカッコいいからがんばれ」という感じなのですね。
今話、プリキュアになれずにほまれさんが倒れ伏した後も、別にフィギュアで成功する輝木ほまれでもなく、プリキュアになる輝木ほまれでもなく、よく分からないけどあらゆる可能性が含まれる「輝木ほまれ」自体をはなさんは応援します。委員長としての薬師寺さあやさんではなく「薬師寺さあや」そのものを応援する子(名前呼び演出ね)として描かれているのが野乃はなさん(キュアエール)なのです。
この先10年くらいを楽しく生きるためのコツですwね。
(未来の)可能性を固定する方に進んでる時は注意しよう。逆に、(未来の)色んな可能性に開かれてる方に進んでる時は、(たぶん)イイ感じ……ですね。
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●HUGっと!プリキュア #04「輝け!プリキュアスカウト大作戦!」/『真・南海大決戦』
●HUGっと!プリキュア 第4話 輝け!プリキュアスカウト大作戦!/四十路男の失敗日記
●HUGっと!プリキュア第4話感想&考察/あおいろ部屋
あと、何となく今年から実験的にしばらくコメント欄を開けておいてみるので、何かプリキュアの話とかありましたら〜。
→Amazon・ビデオでプリキュアシリーズを観る(初代〜ドキドキ!へのリンクまとめ)
→前回:本当の(理想の)お母さんの代わりでもカッコいい理由〜HUGっと!プリキュア第3話の感想へ
→次回:挫折を可能性と捉えなおすということ〜HUGっと!プリキュア第5話の感想へ
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