その他少女小説/感想/紹介
2007年08月04日
カレン坂高校可憐放送部/感想/ひびき玲音・鈴本紅/コバルト文庫
――オレはこの肝試しの夜のことを、絶対、忘れないと思う。(榊木徹)『マリア様がみてる』のイラストレーターのひびき玲音先生が原案、ほのぼの系の表紙といった前情報に安堵し、女の子同士で抱き合ったりしてる第1章……までを読んでほのぼの青春学園小説かーとか思って油断してると、とんでもないことになります。続きを読む
2007年02月05日
丘の家のミッキー〈4〉行くべきか行かざるべきかの巻/感想/久美沙織/コバルト文庫
「このままでいたいのに……みんななんだかどんどん変わっていくでしょう?変わるたびに、何を残して何を切り捨てるのか、決めなくちゃならないみたいなのがいやなんです。自分が捨てられるのもいやだし、比べたくないものを無理に比べて優劣つけるみたいなのが、とても怖いんです……!」(未来)この部分の未来の台詞の通り、今巻でスポットがあたるのは、「変化」の是非。何ものも変わらないではいられないという一つの真理に、中学生の少女がどう折り合いをつけるのか。ラスト部分で描かれる未来が得た気づきは、誰もが一度は通るものといった感じです。いやー、青春だ。続きを読む
2006年11月19日
小池雪「ふわふわの兄貴」第一話〜兄貴登場!〜/感想/Cobalt (コバルト)2006年12月号
「よし! お前のアイツに助太刀だ!」うん、これはバカな小説だ!(満面の笑みを浮かべながら)
小池雪さんは2003年コバルトノベル大賞を受賞してデビューした作家さんで、女子高生がパンダの着ぐるみを売りさばくおバカ小説『青空のように君は笑う』が一冊だけ刊行されてる方なんですが、その他は2004年2月号に「KATANAボーイ+TATOOガール」、2004年12月号に「オフロード聖夜」、2005年6月号に「はつ恋アパート」…と、一年に一回くらいマイペースに短編を発表してる僕的に理想の創作スタイルを慣行していらっしゃるお方なんですが……続きを読む
2006年11月02日
真朝ユヅキ『魔王サマと勇者の私』/感想/コバルト文庫
コバルト公式サイトの今回のときめきWEBラジオは15歳でコバルト2005年度ノベル大賞を受賞した真朝ユヅキさん(ちゃん?)が登場。素だ!本当に素の普通の高校生だ!という感じの初々しいトークを披露しております。せっかくなのでコバルト本誌に載った時に読んだ感想をば。続きを読む2006年06月20日
久美沙織『丘の家のミッキー〈3〉野の百合は暗くなるまで待てないの巻』/感想/コバルト文庫
たった一匹でいいから、あたしの蛍、って思いたい。あたしだけに光ってみせてくれる子だって思いたい。今巻は自分にとっての「特別な一人」を探すお話。そんな人が見つかるなんて夢だと、綺麗事だと人は言うかも知れないけれど、それでもバートさんは原節子さんを探し、未来もそれが朱海さんなのか今は分からないけど、いつか自分もとまだ諦めない。全てが最後の「一匹の蛍」探しのエピソードに象徴的にかかってくるのが綺麗。続きを読む
2006年06月03日
久美沙織『丘の家のミッキー〈2〉かよわさって罪なの?の巻』/感想/コバルト文庫
「慣れてる場所にしがみついてるのは、おバカだと思う?」(未来)
お嬢様学校からしもじもの学校へと異文化トリップしてきた未来が、今度はアメリカから日本という異文化へとトリップしてきたバートさんと知り合って……みたいなお話。グローバル化が今ほど顕著じゃなかった時代に書かれた少女小説の中に、近年の異文化交流ものの先駆けを見ましたよ。続きを読む
2006年05月29日
久美沙織『丘の家のミッキー〈1〉お嬢さまはつらいよの巻』/感想/コバルト文庫
階段を登りながら、思ったわ。まだミシェールはやめなくてもいいのかもしれない。ミッキーと、未来と、ミシェールと、だんだんひとつにしていけばいいんだわ。というわけで通称『丘ミキ』こと『丘の家のミッキー』シリーズに突撃しております。文句なくコバルトの中でも名作にカウントされる、『マリア様がみてる』のルーツ的な女学園もの小説なんですが、これがめちゃめちゃ面白いです。2年前に『マリみて』を初めて手に取った時以来の読書熱沸騰。早く続きを読み進めたいんだけど、もったいないから2、3日に1冊ペースにセーブ!みたいなくらいにもだえ読んでます。 続きを読む
2006年05月26日
響野夏菜『東京S黄尾探偵団 少女たちは十字架を背負う』/感想/コバルト文庫
「三十万円が、パー! あーっ、もうけたお金で渋澤龍彦買おうと思っていたのに――ッ」(藍田花音)面白かった。これ、今、キャラクター目当てのファン層をターゲットに深夜アニメ化してもいけるんじゃね?ってくらいキャラがイキイキとしていましたよ。続きを読む
2006年03月07日
2006年02月28日
マーガレット・サットン『少女探偵ジュディ なぞの美少女』/感想/フォア文庫
「もちろん、あの人だってうそはつくでしょう。にいさんだって、あたしだって、うそぐらいつくわ。あたしたち、完全な人間じゃないんですもの」やはりミステリというよりは人間関係話が素敵な少女小説的な魅力に満ちた1冊。ジュディ良いよジュディ。探偵役なんだけど普通の女の子なのが良いです。続きを読む
2006年02月23日
フランシス・エリザ・ホジスン・バーネット『秘密の花園』/感想/新潮文庫
「おまえには、ほしいだけの地面をあげるよ。おまえをみていると、地面や、そこに生えるいろんなものを愛したあるひとのことを思いだすんだ。おまえのほしい『すこしばかりの地面』がみつかったら、おまえはそれを自分のものにして、そこでいろいろなものをそだててみるんだね」世界中で読み継がれている名作ここにあり。
名作たる一番の理由なんだけど、読んでて元気が出るからじゃないかなぁ。作中で人を元気にする不思議な力をコリンが「魔法」と呼びますが、その「魔法」がこの小説にも宿っているかのよう。作中で起こる元気の連鎖に読み手も巻き込まれるかのような作品です。続きを読む
2006年02月18日
小林深雪『至上最強の恋愛 (Level 1)』/感想/講談社X文庫
姉妹モノです。最初はホワホワ!ホワホワ!三姉妹ホワホワ!ホワホワ!って感じだったんですが、終盤に謎が明かされる部分が中々に重くてずーんという感じ。だけど最終的にはその重さも「お姉ちゃん!」ハシッ!みたいな姉妹の絆に回帰して終わってるんで、うん、やっぱりこれは正当派の姉妹モノ小説だ!という一作です。続きを読む2006年02月17日
マーガレット・サットン『少女探偵ジュディ』/感想/フォア文庫
「ねえ、パパ。人があきらめていいのは、どんなときだと思う?」文庫には原書の情報がほとんどなかったんでちょっと調べてみたんだけど、マーガレット・サットン女史は1932年にシリーズ第1作を発表して以来、アメリカの少女達から絶大な支持を集めたジュディシリーズを38作発表しているとのこと。作中で感じた昔らしさはこのためでした。これも読み継がれてる作品です。世界中で読まれてるジュヴナイル・ミステリーの有名作品といった所でしょうか。確かにこれは安心して子どもに読ませられると思いました。等身大の女の子の心情が巧みに描かれております。70年経って国が違っても少女の悩み、心情なんてそんなに変わらないもんなんだよなーという感じ。今の日本の少女向けアニメ(おジャ魔女とかプリキュアとか)の日常パートにも通じるものがありましたよ。続きを読む
2006年02月14日
沖原朋美『勿忘草の咲く頃に』/感想/コバルト文庫
「あなたはそう考えてきたから、ここまで来ることができたの?」(七瀬)清々しく読了。
両親の離婚がきっかけで母方の故郷に近い「町」に引っ越してきた主人公(少女)。家庭にも町にも違和を感じながら過ごしているんだけど、そんな時に一人の少年と出会い……という、とってもスタンダードな純愛系の少女少女物語。主人公の感じてる違和には結構重い背景があるんだけど、死生観とか存在論とか難しい領域までは踏み込まず、比較的ライトな部分で最終的には消化してるのが読みやすかったです。続きを読む
2006年02月08日
小池雪『青空のように君は笑う〜僕らが起こしたちょっとした奇跡〜』/感想/コバルト文庫
「……みんなはそれで大人らしく、乾杯の一つでもして旅立てるのかもしれないけど、わたしは、何一つ実現してないから。このままじゃ終われないっつーの」(岡町環)自分が何者かに尊い存在だと信じて、英語の勉強に打ち込むことで周囲と距離を置きながらもアイデンティティを保ってた少女(主人公)が、バイト先の「蟲明電気商会」なる電気店の没落に巻き込まれるうちに自分が何者でも無いことが段々分かってきて、でもそれでも諦められなくて行動を開始する……といったお話。続きを読む



















