「彼女らはクラスではじめて私を誘ってくれました」(ひかり)

 ひかりの自分探し、居場所探しから物語が始まったMaxheart。とりあえずなぎさにほのかに、そしてタコカフェという居場所を見つける所までがこれまで描かれてきたんですが、今回は居場所の拡大が描かれた話。なぎさ&ほのかにアカネさんとタコカフェメンバーだけじゃなく、クラスメイトとの関係の中にも居場所ができあがっていく話。
 最初は「『はい』じゃなくて『うん』でいいよ」と言われても「はい」と答えちゃうという感じでひかりと奈緒(なお)&美風(みふ)の間には距離があったんだけど、物語を経た後には「ひかり」、「奈緒」、「美風」と名前で呼び合うというように関係性が変化してるというのが丁寧に描かれていました。この関係性の発展を名字ではなく下の名前で呼び合うという変化で表現するという手法は、前作の傑作第8話でなぎさとほのかの関係の変化を表現するのにも使われた表現法なんで、前作からのファンはニヤリとさせられる演出だったりします。

◇もう一つ

 今回面白かったのは、成長して先輩の立場になったなぎさ&ほのかを後輩視点から掘り下げるという描き方ですね。前作最終話は先輩達の卒業式シーンで締められており、今度はなぎさやほのかが先輩の立場になるんだという「受け継ぎ」を暗示させて幕を閉じていました。そして、今作では何かと部長という責任ある立場になった二人の、先輩として、あるいは大人の入り口に立つモノとしてならではの物語に特に焦点が当てられて描かれてきました(先輩モノ、大人との接触モノの話がMaxHeartは非常に多い)。その流れに矛盾しないように、奈緒&美風という後輩の視点から見た憧れの先輩としてのなぎさ&ほのかという物語です。前半パート終了間際の、もう(バスケットを)やめるかという問いかけに対して奈緒がじっとなぎさがどう答えるのかを見てるシーンが秀逸。そこでCMへという流れも秀逸(笑)。CM明けの答えは、やはり憧れのなぎさ先輩はそう簡単に投げ出す人じゃなかった!という解答。なぎさを憧れの目でみてる奈緒ちゃんも、なぎさのなぎさなりの等身大の姿を知ってる視聴者もグっとくる解答ですよ。そこにほのかまでアドバイザーとして入ってきて、美風→ほのかでも後輩視点からみたほのかを描くという完成度の高さ。視聴者視点としては等身大キャラとして描かれてきたなぎさ&ほのかの主人公二人を、別視点(後輩視点)からはどう映ってるのかというのを十全に表現してました。本当最近プリキュア面白いですわ。

◇地味に

 ラストのパンに関するオチも冒頭から伏線が張ってあって完璧。メップルが「なぎさは食いしん坊だから途中で食べちゃダメメポ」って冒頭で言ってたのに、結局みんなと一緒に食べちゃって怒られたという。

◇奈緒&美風は

 めちゃめちゃ面白いキャラだったので、一発キャラじゃなくコレからもひかりの友達として出来て欲しい。フリーマーケットシーンでのファッションメドレーとかヤン様トークの辺り、非常に生き生きとキャラが動いてました。


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