「志摩子が思ってるいるより、ずっとこの世界は生きやすい場所なんだって」(白薔薇さま)

 志 摩 子 さ ん は い い な ぁ 。(挨拶)

 読者が感情移入する用の無標のキャラとしては主人公の祐巳が設定されていると思うんですけど、僕的には志摩子さん。集団から一歩離れ気味なところに何となく自分の高校時代を重ね合わせてしまってハァハァします。ハァハァするなよ。
 ワシは離れ気味っつーか授業とか出ておらんかったからのう……(遠い目)

 しかし志摩子さんが抱えてるものは何なの?たまにこの時期の少年少女には抱えてる人がいる一般的な孤独と同じものなの?その辺りに今後焦点があたる話はあるのだろうか。今のところ各キャラの物語はみっちり回収してくれる小説なんでありそうですが。志摩子さんは敬虔なクリスチャンという設定とかと絡めて何か語ってくれるのかのう。

●びっくりチョコレート
 同性とのデート権を獲得するために行われるバレンタインゲームバトルというロックな話。意外性あり、オチありで普通にエンタメエンタメで楽しめました。

●黄薔薇交錯
 「びっくりチョコレート」とほぼ同作中時間の黄薔薇ファミリーバレンタイン裏エピソード。この辺りから支倉令がボケキャラ化してきました。

●ファースト デート トライアングル
 ジーパン店に初めて入る祥子さまとか、ギャグ風味の祐巳−祥子デート話も面白かったんですが、僕的作中二大注目人の志摩子さん−蟹名静のデート話がクール。ドロップアウター気味でかつ白薔薇さまに惹かれたりと同属性な2人ですが、歳の差で蟹名静の方が少し先んじてるのがカッチョいい。実際に留学という形でこの場所から消えていく蟹名ですが、志摩子さん物語の帰結はこの蟹名との対比にもなるのかもしれない。いや、先読んでないから何ともいえないけど。

●紅いカード
 人気者を遠目に眺める一般人の話。同年代の人にこれだけ強い羨望を向けた経験が自分にはないような気がするので、やや感情移入はしづらかったでしょうか。園児祥子とかは面白かったですけど。性格の根本が今と同じというのか限りなくギャグ風味になっています。

●紅薔薇さま、人生最良の日
 紅薔薇さまは心が広いです。しかしながら、選別された人間しか入れない場所を、選別されてない人にも無条件解放というのは心が広すぎて感情移入しきれない部分も。絶対混乱が生じるだろうし、そのリスクを背負うほどのメリットはないだろうと冷静に考える自分がいました。選別されない人間には入れない憧れの場所ってのも結構趣深いんじゃないかなんて僕なんかは思ってしまうんですけど。


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