「あの、双子でいらっしゃるんですか」

 恐る恐る由乃さんが尋ねた。

 「そうです」
 「そうです」


 爆 笑 。
 花寺の男達のはっちゃけ設定っぷりが熱い。名前がニッコウ先輩、ガッコウ先輩ですよ。男塾に出てきて双子拳法を使いそうなくらい熱い。こんな、少年漫画バリのやっつけ設定でいいんだ。コバルト文庫とWJあたりの少年漫画の領域が一瞬重なって見えました。

 そして、今巻はクライマックスのパンダオチが熱い。こんな、パンダをギミックに使って感動させる気満々になってるとは、今野先生は熱い。ちょいとばかし、今回はうらぶれたパンダ好きには必読の一冊ですぜ?

 はっちゃけ具合満載ですが、本筋はいたってマリみてらしく、人間間の相互理解物語になっています。祐巳−(新キャラの)可南子、祐巳−祐麒、祐巳−祥子さまで、みっちりと人間関係が描かれます。可南子は今巻だけ見るとまったくもって逆切れの困ったちゃんですが、最終的には否定的には描かれなさそう(マリみては基本的にそうだけど)。祐巳との関係は続巻へ持ち越しで、破綻した関係をどう修復していくか、その形、みたいなテーマを描く一翼を担うキャラになる予感。祐麒関係も祐麒→祐巳視点で祐巳の成長に気づいてしまったり、祐巳→祐麒視点で祐麒の生徒会長としての意外な一面が見えてきたりと面白いんですが、最後のパンダオチで祐麒は祥子さまを際だたせる対比要因になっちゃった感じ。祥子さま>祐麒。なんだ、祥子さま、祐巳べったりなだけじゃなくてちゃんとしてんじゃん、みたいな。そんなオチ。


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