
やはりミステリというよりは人間関係話が素敵な少女小説的な魅力に満ちた1冊。ジュディ良いよジュディ。探偵役なんだけど普通の女の子なのが良いです。
今作本編は「WHO(誰?)」に焦点を当てたミステリ劇。犯人が誰かというのじゃなくて、キーパーソンである副題にもなってる謎の美少女であるハニーが一体何者なのか?という謎一点を中心に添えたミステリ劇。あくまで児童向けなんで大人の僕が読むと相変わらず途中で謎は分かってしまうんですが、まあ、ハニーの正体あたたかくて良かったよ。物理トリックとかじゃなくて(ちょっとあったけど)、人間関係トリックっていうの?トリック、動機云々のミステリミステリした部分じゃなくて少女ジュディの人間関係話が魅力のジュディシリーズにおいて、人間関係トリックというのは一番このシリーズの魅力が味わえるトリックだったんじゃないでしょうか。
あとはジュディは女子高生なんだけど、それを取り巻く仲間達が大学生だったり実業家だったりと大人が多くて、大人読者も取り巻きに親近感を持って読めるのが利点ではないかと。これ、逆にメイン読者層の少女層は、少女なのにそんな大人な人達と対等に友人関係を結んでるジュディに対して、「いいな、こういう女の子いいな」という感情を持たせてジュディにシンクロさせて楽しませてると思うんですが、これまた大人読者視点からすると、ジュディみたいな女子高生とお友達なピーターやアーサーいいな、ジュディみたいな妹がいるホレースいいな……という読み方でちょっち願望を満たしてくれたりもします。後者の読み方は作者は意図してないような気もしますが、いいじゃん!ちょっと近年のサブカル業界的に妹モノとしてジュディを読むのもいいじゃん!
昔の少女小説を読むと結構近年のモエな属性を踏まえてるキャラ、展開があって「へー」と思うことがあります。ジュディでもロレインはツンデレ入ってるし、ジュディとロイスは仲良し女の子だしで、結構こういう近年の属性云々は時代を超えてる部分があるのかなぁなんて思います。
そんなジュディシリーズ2冊目でした。これ、ハマり具合によっては邦訳されてないヤツにも手を出してしまうかもしれぬ。
少女探偵ジュディ
少女探偵ジュディ なぞの美少女
少女探偵ジュディ 地下室の秘密
少女探偵ジュディ 黄色い幽霊
少女探偵ジュディ 地下室の秘密
少女探偵ジュディ 消えたダイヤモンド

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