
それにしても僕の持ってる『黄薔薇革命』は付箋だらけだ。なんか、教科書みたいな感じ(笑)。
考えてみれば、生きるってことは、自分のためにという大前提はあるけれど。それ以上に、この人のために生きなくちゃいけないとか、誰かを残して逝けないとか、そういうパワーの方が人を生の方向に強く引き寄せるような気がした。(P155)
由乃は令のために、令は由乃のためにという所から、普段はコメディ仕様の祐巳がこんなこと考えたと、祐巳視点で語られてる所がイイです。感動。
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カップを片づけながら、志摩子さんが言った。「姉妹にもいろいろな形があるわね」(P35)
一番良く出てるシーンは『チャオ ソレッラ!』での、同じ宗教画を見て、志摩子さんは涙を流し、由乃は太ったイエズス様だ、なんて言って、それでも両方とも祐巳の親友……ってまとめられてる部分だと思うんですが、マリみてが描いてるモノの一つに良い意味での人それぞれ、多様性の容認ってのがあると思いますね。人の感性それぞれ、人間関係、姉妹関係もそれぞれ、だから面白い。2作目からそういうの入ってたんだなーと、今回改めて気づきました。
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それにしても、やっぱりコメディーってかエンタメで面白いのは、これは続巻でどんどん効いてくるんですが、この巻の序盤ではエラく時間を割いて由乃の女の子属性?にまつわる会話がなされてる部分ですな。ミルクティーが好きで、白い猫飼ってて、レースやリボンや小花柄に、スカートだったらタイトよりもフレアだとかetc、これらの女の子イメージについて最初にみっちり書いてたからこそ、後で全部裏返ってイケイケ由乃が判明していくプロセスが痛快です。あー、やっぱ由乃も好きだわ、自分。最新刊の方では妹候補の有馬菜々も登場してることだし、これから出番増えませんかね、由乃話。今なら、また違った感じで楽しめそう。



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