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初読の感想の時にも書いた気がするけど、この巻は二部構成が見事過ぎ。意地でも、「いばらの森」→「白き花びら」の順で読め!みたいな。犯人探しのノリで、須加星の正体は?という謎と、白薔薇さまの過去って一体?という謎の二つがメインで二軸で進みます。前者の方は「いばらの森」ラストで判明、後者の方は「いばらの森」では含みをもたせたまま、「白き花びら」で解答編。この構成は、本当痺れる。
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たぶん私たちは、せっかく持って生まれた二つの手を、両方とも同じ相手と結んでしまっているのだと思う(「白き花びら」P230)
こっからの悲哀エンド。そしてそこから繋がっていく、志摩子さんとの片手だけ繋いだような関係。あー、今から「片手だけ繋いで」のエピソードを読むのが楽しみです。
聖と栞のラストは前巻の令と由乃の破綻時よりも厳しい感じ。令と由乃の時は山村先生が、でも由乃は生きてんじゃん!隣の家に住んでるんじゃん!近くにいるんじゃん!って励ますんだけど、聖と栞のラストは栞はもう近くにはいないという。それでも黄薔薇時の山村先生のポジションで先代白薔薇様が励まします。生きてれば、癒える!作中作「いばらの森」にて死への暗示が出てきたりしてる所へ、このラストだから、先代白薔薇さまと蓉子の存在が救いとして強烈に残留します。マリみて、序盤の黄薔薇といばらの二冊は、何気にオブラートに包みながら生き死に云々の重いあたりを扱ってたりします。エンタメでコメディで、深みといっても人間関係の機微なんかが描かれてるマリみてが僕は好きですが、そういうベクトルとは違う重さでの深みが入ってるこの話も、珠玉一編だなと思ってるわけです。とりあえずマリみてを勧める時は3冊目まで読んでみるように勧めてる所以です。



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