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 またまた再読感想です。初読時は志摩子さん万歳!蟹名静様万歳!な印象が強かったんですが。再読してみると、以外とオーソドックスに祐巳と祥子さまの話も主軸として入っていました。
 だったら、そこにいるだけでお姉さまが安心できる、そんな妹になれたらいいと思う。それが、祐巳にとっての目標になった。(P112)

 ここの場面で出てくる、蓉子曰くの「包み込んで守るのが姉。妹は支え」という姉妹(スール)観が、とりあえず、姉妹の関係はそれぞれとしながらも、主に紅薔薇姉妹のスールのあり方に関して作中で土台となる考え方になってそうです。この辺りの話は「パラソルをさして」で一旦完璧に物語要素として昇華してると思うんですが、「薔薇のミルフィーユ」でまたまた紅薔薇姉妹間にまつわる課題、乗り越えるべきモノのようなものが描写されはじめて、また関わってくるのかどうか楽しみです。この頃の話からもう一段ステップアップした姉妹観なんかが出てくると面白いと思うんですが。

 ◇

 あとこの巻で好きなのは、

 身近にいる人が、いったい何を考えているのかわからない。祐巳は最近、なぜだかしょっちゅうそんなことを思っているような気がする(P84)

 の部分ですね。マリみてのメインっていうか、1巻は祥子さまのことがやっぱり最初よく分からずに、徐々に祥子さまの本当の部分がコミュニケーションを通して明らかになっていく話、「黄薔薇革命」もイメージ先行だった由乃の本性、本音がだんだんと祐巳にも理解されていく話。そんな感じで、この巻も、蟹名静嬢、志摩子さん、聖さまの考え、生き方が最初は祐巳にも読者にもよく分からない所から始まって、それが徐々に明らかになっていく形で物語が進んでいきます。んで、やっぱりそこで志摩子さん−聖の関係がちょっとだけ明らかになる、というか二人の関係をスパっと切り取ってる、

 「あのね。今のお姉さまの言葉ね、私には最大級の励ましの言葉なの」(志摩子)

 の所が最後の方で出てくるのは再読時でも痺れます。やっぱり白薔薇姉妹いいな!やっぱ結局白薔薇万歳!な感想に落ち着くんですが。

◇長き夜の

 コメディでエンタメで気楽に繰り返し読んじゃう凄く好きな一編。
 なんですが、何気に「薔薇のミルフィーユ」を読んでからこの話に戻ると、色々考えちゃいますよね。この時点では同性愛者だと言って祥子さまを突き放した柏木、外で女の人を囲ってる小笠原家の男性陣はネガティブノリなんですが、少なくとも柏木の方はその後の物語を通して、特に「薔薇のミルフィーユ」ではネガティブさが裏返ってます。裏返ってるというか、何か、もっと意味深な真意があることがほのめかされてます。小笠原家の謎。何気に、この頃から存在するマリみてのボカしの一つです。
 まあ、全体としてはとにかくトランプがやりたくなる話だということに尽きるんですが。トランプやりたい。今年の正月は僕も是非ともトランプがやりたい。相手がいない。

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