『マリア様がみてる～春～』／第10話「黄薔薇注意報」／DVD第5巻／感想:少女創作ファンブログ―The Girlls Fiction Fan Blog(GFFB)

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　「それにもっと気持ちを分散しないと」（島津由乃）

　令ちゃんだけに気持ちがいっていてはダメ。黄薔薇の物語はくっつき過ぎだった由乃と令の二人が自立していく話ですが、最初は由乃の方から自立開始って感じなんだよな。先に、有馬菜々を見つけてくるのも由乃ですが、この頃から令さまより先んじる形で自立志向を持ってるような描写がなされてます。

　「由乃がここにいると私ダメなの、心が乱れる」と、由乃が自分のステージ（剣道部）にいるだけで意識し過ぎてしまって弱くなってしまう令さまに対して、「このままじゃ令ちゃんもっと弱くなる」「私だって甘えて……そんなことに負けたくない！」「剣道部も妹もどっちも頑張る！」と、由乃強い子をアピールしています。由乃にこういうパワーがあったからこそ、『未来の白地図』を通して「黄薔薇、真剣勝負」にて、スっと二人が離れる瞬間というのが訪れたんでしょうね。結局、その後、剣道部を由乃が続けることで令さまの内面がどうなったのかの記述はありませんが、近刊の令さまの由乃離れが描かれる頃には由乃がいても普通に平常心を保てるようになってたんだろうなぁ。

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◇他、ピコポイント

・田沼ちさとさんが可愛い件

　「ファーストデートトライアングル」の時にビジュアル化されて出てきた時も可愛かったですが、今回でてきた髪切ったヴァージョンも可愛かった。原作ではこの時点でまだ少し由乃とギクシャクしてる感もあるんですが、アニメ版では既に普通にイイ人。由乃の味方ポジション。剣道少女、いいよね。

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　聖さまの世界に栞さんだけ状態から始まって悲譚に終わった白薔薇物語が前回の乃梨子の「片手に仲間を、もう片手で私を」で完結した所で、それを追う形で今回、由乃が世界に令ちゃんだけ状態ではダメだということに気づき始めます。そして次回、「レイニーブルー」は祐巳が世界に祥子さまだけ状態になっていたがゆえに失敗する話。そしてそれを乗り越えて一回り成長する祐巳。

　やはり『マリア様がみてる』は人間関係を通しての少女達の成長を描いている、わりと正統派少女小説なのであります。アニメ版もそこは踏襲していて満足。今回の由乃の話なんかは回収されるまでアニメ化されるかまだ分かりませんが、この段階でこの話が入ってるなら、是非とも有馬菜々登場、「黄薔薇、真剣勝負」まで映像化して欲しいよなぁ。

マリア様がみてる~春~ 5