
良かった。様々な要素を捨象して、弓子さんと祥子さまのお祖母様−祐巳と祥子さま……の時を超えたシンクロ演出一本に絞って最終話にもってきました。
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時を超えた和解、失われた関係は修繕することができるというのもマリみてのテーマなのかと思うようになってきました。現代を舞台にしたものなら、「黄薔薇革命」のような由乃と令さまの関係解消から再構築までを描いた物語、悲譚に終わった聖さまと栞さんの関係から、代を経て修繕されていき志摩子さんと乃梨子との関係で着地する白薔薇代の物語、原作刊行中で描かれてる、一度拒絶されてから、今まさに修繕が始まろうとしている祐巳と瞳子の物語、過去を舞台にしたものなら、学園長と須賀星さんの時を超えた和解、今回の弓子さんと祥子さまのお祖母様の時を超えた和解……と、例をあげだしたらきりがありません。こういった失われた関係でも取り戻すことができるという「希望/救い」こそが、由乃役池澤春菜さんが作品の魅力としてあげる、また僕もそう思う、「どんなシリアスに見える話にも根底に明るさがある」マリみてスピリットなのかもしれません。原作「パラソルをさして」の表紙にある、今回ファイナルエンディングで再現された祐巳と祥子さまの白いパラソルの相合い傘の風景は、「レイニーブルー」で描かれた暗さや、今話で描かれた祖母との死別という重さよりも重要な趣をもって、何よりも「明るさ」を伝えてくれていたように思います。だから、『マリア様がみてる』はステキなのです。
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というわけで第2シーズン『春』、最終回まで視聴&感想完了です。OVA3rdシーズン刊行開始までに間に合った!イヤァー!(両手でバンザイのポーズを取りながら)。全体として満足な映像化作品でした。原作ファンが映像化ヴァージョンに抱く尽きない不満として、意味がある原作のシーンが削られてたりもしましたが、これは尺の都合もあるし、文章と映像とでは作劇が違ってきて当たり前なのは十全に分かってるので、そんなに気にはなりませんでした。それよりも何よりも、原作で好きなキャラがビジュアル化されて動く、そして超豪華声優陣によって喋る、原作だとビジュアルがつけられてないようなキャラが思いがけぬ可愛さでビジュアル化されてる、何よりも原作でも重要な要素を担ってる、リリアンという舞台/背景が非常に美麗な絵で見事に再現されてるという喜びの方が大きかったです。「ロザリオの滴」の「片手で仲間を、もう片手で私をつかんでおけばいい」の技アリのオリジナル台詞や、「紅いカード」での髪をほどく美冬さんのシーンなど、アニメ版ならでは!というステキ要素も嬉しい所でした。
そしてさらに嬉しいことには、これで終わりではなく、もうすぐOVA版としてさらに映像がパワーアップした(であろう)3rdシーズンが開始されるということです。アニメ版感想もまだまだまとめには入りません。引き続き3rdシーズンの感想で来年までお付き合い下さい。第1巻『マリア様がみてる 子羊たちの休暇』は11月29日発売なので、11月末〜12月初めのうちに感想をアップする予定です。引き続きアニメ版でもよろしくお願いしますm(_ _)m


→マリア様がみてる3rdシーズンOVA予約開始
◇リニューアルされた公式サイトより、一番大きいのはコレクターズ・エディションには出演声優さんのオーディオコメンタリーが入るけど通常版には入らないという点。これは、通常版で予約するつもりだったけど、出演声優さん込みでファンブログやってる身からするとちょっと頑張ってコレクターズ・エディションの方にするべきなのか。悩む。
●通常版
マリア様がみてる OVA 1 子羊たちの休暇
マリア様がみてる OVA 2 略してOK大作戦
マリア様がみてる OVA 3 涼風さつさつ
マリア様がみてる OVA 4 レディ、GO!
マリア様がみてる OVA 5 チャオソレッラ
●やっぱりコレクターズエディションも出ます
マリア様がみてる OVA コレクターズ・エディション 1 子羊たちの休暇 (初回限定生産)
マリア様がみてる OVA コレクターズ・エディション 2 略してOK大作戦 (初回限定生産)
マリア様がみてる OVA コレクターズ・エディション 3 涼風さつさつ (初回限定生産)
マリア様がみてる OVA コレクターズ・エディション 4 レディ、GO! (初回限定生産)
マリア様がみてる OVA コレクターズ・エディション 5 チャオソレッラ (初回限定生産)

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