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 「どこ行くつもり?」(キュアルージュ)

 全国のフリーターさんの月曜日が心配な第13話「りんちゃんの部活決定ーっ!」の感想です。相変わらずすごい番組です。
 ◇

 要するに沢山の可能性の中から一つを選択するお話だったのだと思うわけですよ。

 「まあ色んなことやってみるのもいいけど、一つのことを一生懸命やるってのも悪くないよ?」(おタカさん)

 のおタカさんの言葉が後半にかかってくる形で、ちゃんと真剣に考えて、

 「それじゃあダメだと思うんです、そんな中途半端な気持ちじゃ、皆に悪いから」(夏木りん)

 と「責任」まで請け負って考え抜いた末に、色々な人の助力もあって結局沢山の部活の中からフットサルを選んだりんと、沢山の職からお金目当てでテキトーにバイトを選んで、あまつさえムラっ気で責任も何もなく仕事放棄しちゃうようなダメフリーターのガマオさんとを対比させる形で。

 りんさんは心からフットサルも好きだし、同好会のメンバーにも好感を持ってるから、絶対に一度入ったら無責任に止めたりしない。一方で仕事への愛着もなく、お金目当てでメンバーとの交流関係も何も考えてないガマオくんは無責任に仕事を投げ出してしまう。そういうお話ですよ。

 もう、最後の、ルージュさんがコワイナーの仮面を踏みつぶして、さらにネジネジと粉々にして

 「どこ行くつもり?」(キュアルージュ)

 とガマオくんに声かける所は背筋に魔力回路でも生成されたかと思うほどビリビリと来る熱さがありました。

 やべー、俺も職場放棄したことあるよ!という全国のフリーター視聴者さんが絶望の顔を浮かべる中、そんなダメフリーター代表のガマオくんにルージュさんのルージュファイヤーがブチ込まれます

 すげー、ダメフリーターが夢見る乙女に全否定されるという熱いハートの番組です。いや、夢見る乙女というか、今回もある種の逃避チックで幻想チックな夢から、一部の「現実」を受け入れて本当の「夢」に昇華していくお話。全部のスポーツをやりたいとか、あらゆる職業をやってみたいとか、未来に無数の可能性を残したまま生き続けていられるというのはある種の幻想。いつか、ある時点で自分で可能性の中から他の可能性を捨象することになっても、一つを選ばなくてはならない。そんな現実を受け入れて一歩前に進むお話。

 要約すると、いつまでも自分探しとか夢探しとかのたまってニートやらフリーターやってるんじゃねーぞと。現実の過酷さを免罪符に自分の選択に責任も持たずに他罰的に周囲に当たり散らしてると、貴様もルージュファイヤーをブチ込まれちゃうぞ?と、そんな温かいお話でした。

 全国のニート、フリーター視聴者さんは、

 「それじゃあダメだと思うんです、そんな中途半端な気持ちじゃ、皆に悪いから」(夏木りん)

 この台詞をかみ締めて月曜日からまた頑張りましょう。

◇以下、ピコポイント

●夏木ゆう、夏木あいと、りんさんの姉弟が登場。

 登場自体よりも、一緒に遊んでるのぞみとうららが可愛かった。ベンチでりん、こまちさん、かれんさんと、部活か家か?と未来にまつわる選択に関する真面目な話をしてる一方で、のぞみとうららは子守担当というのがらしくて良かった。しかもわりと、子供と同レベル

●おタカさんは、地味に作中の是の解答を導いたりする言葉を発する重要キャラ

 第05話「プリキュアの資格」の時の、

 「でも一人で何でも頑張り過ぎちゃうと、本当に自分が好きなことを出来なくなっちゃうよ?」

 もそうだったんですが、さりげなく、作中で伝えたいことを言語化して明示的に言っちゃうという要注意人物です。

 あと、「おつり30万円」とかに、既に夏木さんが突っ込まなくなってるのが地味に面白かった。

●現実を受け入れるということ

 第01話〜第06話までの一人一人のプリキュア化エピソードは、とにかく「夢を持つことは是だ!」と圧倒的にとにかく夢賛歌を叫んでいたのに対して、第11話「のぞみとココの熱気球」から始まる、サブタイにそれぞれの登場人物の名前が入る第1クール終了シリーズは、「とは言っても夢だけじゃダメ、現実も受け入れながら進まなきゃ」ということを描いているだと思います。第11話「のぞみとココの熱気球」では、勉強なんか何の役に立つの?という勉強なんかしなくても幸せに暮らせるんじゃ?というある種の逃避的な夢から、やっぱり勉強も大事!という現実を受け入れていくお話でしたし、第12話「うららのステージを守れ!」はアイドルなんて笑って歌ってれば称賛されるお得な職業じゃない?的な逃避的な夢から、実際には着ぐるみには中の人がいるし、トラブルもあるし、努力も必要だし……という夢の裏の現実が描かれるお話でしたし、今回第13話「りんちゃんの部活決定ーっ!」は、上で書いたとおり、全部の部活をやれれば(未来に無限の可能性を残したまま大人になって行けたら)という幼い夢から、でもやっぱり一つ選んで誠実に打ち込むことも大事だよねという現実を受け入れるお話でした。流れからして、次回の第14話「悩める生徒会長かれん」もそういうお話だと思いますし、おそらくは第15話はサブタイにこまちの名前が入ったお話がきて、同じくなんらかの現実との関わりが描かれるのだと思います。やっぱりプリキュア5面白いな。幼児向け番組なんて、「信じれば夢は叶う!」の一点ばりでも良さそうなものなんですが、敢えて現実を突きつけるという構成にたまらなくハマっています。明日のガマオくんにならないために、皆も現実も見ながら頑張れ!という力強いメッセージを感じます。人ごとじゃねーと顔面蒼白になりながら大人視聴者も楽しめるという、希有な番組です。

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