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 「俺さ。姉(きょうだい)がいて良かったって、久々に思った」(福沢祐麒)

 Cobalt6月号増刊『別冊コバルト』収録の、『マリア様がみてる』外伝中編、祐麒が主人公の「お釈迦様もみてる」のネタバレ感想です。
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 花寺学院の対立する派閥、源氏にも平氏にも属せずに入学早々孤立する祐麒という図からはじまって、なんだかんだで、生徒会役員を相手に、期日までに友だちを四人連れてこなければ下僕にならなければならないという賭けに祐麒が巻き込まれてしまうという、なんか、こう、単独の一匹狼が生徒会(よく学園モノでは敵役になる)に立ち向かうという、学園バトルモノみたいなノリのお話。

 徐々にマリみての方でお馴染みの、アリス、高田くん、小林くんなんかが祐麒のもとに集まってくる展開とか、マジでバトルモノ作品の第三クールくらいのノリです(第三クールで仲間が終結して、ラストクールはラスボスと戦う)。

 第二クールくらいでは主人公は心理的障害を抱えてるのもまた常で、祐麒くんも友人関係に関して過去のトラウマ(これもまたベタですが)からちょっと吹っ切れないものを抱えてたんですが、そこは、必ず主人公の元にはメンターポジションのキャラが現れて導いてくれるのもまた常で、なんと、この話ではそのメンターポジションキャラが、我らが『マリア様がみてる』の主人公祐巳。

 ちょっと、この話の祐巳祐麒分は半端無いので、祐巳祐麒スキーは要チェックです。お姉さんお姉さんした祐巳が可愛い過ぎる。

 そうやって、祐巳の力で迷いを払拭した祐麒が、前述した仲間パワーをひっさげて生徒会に乗り込む訳ですが、結末としては、そういった一連の流れも、お釈迦様の掌の上だった的なエンディング。今回の話でのお釈迦様ポジションは、これまた本編の方でもご存じ柏木さん……といった感じのお話でした。

 マリみて本編の方で、何巻か忘れたんですが、柏木さんホモ疑惑の所で祐巳が祐麒を心配する箇所があって、それに対する祐麒のリアクションが微妙だったのがなんだったんだ!という部分があったんですが、今回でその辺りも種明かし。祐麒、普通に柏木さんにキスされてました。唇です

 という感じで、祐巳×祐麒スキーだけじゃなくて、柏木×祐麒スキーにもお勧めの中編でありました。まあ、普通に多感な頃の少年の人間関係の機微を掘り下げたお話として面白かったですけど!

別冊Cobalt (コバルト) 2008年 06月号 [雑誌]

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