![Cobalt (コバルト) 2009年 01月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61KrSEmxb2L._SL160_.jpg)
雑誌コバルト2009年1月号掲載の『マリア様がみてる』短編「胡蝶の夢」のネタバレ感想です。
荘子の「胡蝶の夢」ネタで、作中でセルフ言及しておりますが、漫画、小説を問わず色んな作品でネタに使われている概念。
王道の落とし所としては、今が夢である可能性を論理的に棄却できない様を語っておいて、だけど例え今が夢でもこの「今」で大事だと思えるものを発見して、じゃあこの世界でいいやと落ちるんですが(逆パターンで、大事なものがあるからあっちの世界に戻るオチの話もある)、今回はその例え夢でもこの世界でいいやと思える要因が「友だち(善紀さん、春氷さん)」の存在だったってことで、まあ思春期の女の子主人公としては自然だよなという感じでした。
でも、こっちの世界の「女子高生」の私と、あっちの世界の「おっさん」の私との二択だからな。そりゃ、女子高生の方がいいよ!みたいな;
あとは、マリみて作中1年次のお話ということで、同じクラスだった頃の祐巳と志摩子さんが少しだけ登場という辺りがファンサービス旺盛でした。志摩子さんは既に白薔薇様の妹で、祐巳はまだ一般生徒ということで、無印のちょっと前の時期のお話ですね。意外と語られてない時間帯のお話です。つーか、志摩子さんの対外的なリスペクトされっぷりが凄い。
(ばかだな。女子高生の最高級品と比べてどうする)
「女子高生の最高級品」、凄い評価だ(笑)。
あー、でも、一応こういう特権階級的だった薔薇の館の住人達が、蓉子様の理想〜それを継ぐ祐巳のラインの物語で一般生徒にも開かれていって、一部の凄い人だけじゃなく、それぞれに物語があってそこに貴賤は無い的な方向にお話が進んでいくのと連動してるのか。そう思うと、こっちの世界では凄い人でいられるからとかじゃなくて、「友だち」がいるからっていう落としどころは上手いな。
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Cobalt (コバルト) 2009年 01月号 [雑誌]
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