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Yes!プリキュア5GoGo! Vol.1 [DVD]  「ブンビーさん、ありがとう」(夢原のぞみ)

 Yes!プリキュア5GoGo!第47話「気持ちをひとつに!青いバラの奇蹟!!」の感想です。
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 プリキュアのラスト2っていうのは毎年毎年なんでこんなに泣けるのだろう。今回の見所ベスト5。

第5位:館長とフローラさんの絶望的なディスコミュニケーション

 双方向コミュニケーションが達成できるか?という主題が至る所で描かれていたGoGo!、後述するシロップとプリキュア達が理想的な双方向コミュニケーションで復活したのに対比されるように、館長とフローラさんの間では絶望的にコミュニケーションが成立せず。

 「永遠」という概念に関する価値観が館長とフローラさんでまったく違っているというのがここに来て強調されてるんだけど、フローラさんの「永遠」の方が解釈難易度は高め。だけど、大人視聴者になった僕にはフローラさんの「永遠」の方が共感できる。子ども視聴者にも、ストンと理解できなくても、何となく感じて欲しい概念です。

 そして、全て支配し、保存すれば「永遠」という館長は、フローラさんすらコレクションする気だったという。そう言われれば、前回館長がプリキュア達に行った石化保存というのは、石化した側からはまったくコミュニケーションができず、保存してる側からの一方向のコミュニケーション(これはもはや支配)だけ、それプラス館長解釈の「永遠」が本当に永遠に続くという、作中悪行動の象徴だったよなぁ。

第4位:シロップとプリキュア達の希望的な双方向コミュニケーション

 しかし、館長に石化されて永遠の中に閉じ込められ、コミュニケーション手段を封じられてなお、プリキュア達とシロップは双方向コミュニケーションに到達した。プリキュア達とシロップの伝え合いたいという気持ち(ここに来て「こころ」と表現されている)は館長の押し付けた「永遠」を突破した。

 メルポを通して送られてくる、プリキュア達からシロップへの「こころ」を込めた手紙。フローラさんから館長への「こころ」(種のシニフィエ)を込めた手紙は館長に伝わらなかったけれど、プリキュア達からの手紙に込められた「こころ」はシロップに伝わった。

 プリキュア5人、一人一人に語りかける、シロップのアンサー。石化という永遠(コミュニケーションの断絶)を突破して届く、シロップの気持ち。永遠の突破、伝わり合う「こころ」(双方向コミュニケーション)、プリキュア達復活。まじで凄いな。GoGo!で繰り返されて来た、「手紙が届く→アンサーを返す」という物語の軸が、最後にラスト2に来て爆発した。

第3位:スーパープリキュア

 復活したプリキュア達には蝶の羽が。無印5の劇場版に登場したスーパープリキュアです。GoGo!こそ薔薇のモチーフだったけれど、プリキュア5の元祖モチーフは何と言っても「蝶」。このラスト2のクライマックスが、GoGo!だけじゃなく、プリキュア5シリーズ2年間の最終決戦なんだという雰囲気が盛り上がります。

 そして、フローラさん、ココナッツの絶体絶命のピンチに登場するプリキュア5。ここまでは前回の時点でイメージしていたけれど、映像がイメージの上をいかれた。スーパープリキュア状態のまま飛行して、いわばスーパープリキュアシューティングスターでのぞみが館長の黒球(「黒」はプリキュアシリーズではネガティブな象徴で使われる)を、それこそ流星が突き抜けるが如く貫いて登場というのがカッコ良すぎた。プリキュアシューティングスターは画期的なプリキュアシリーズ初の単体突撃技でしたが、ここに来てその完成系の映像を見た。

 続く、トラップからのボレーというスーパーファイヤーストライクに、二重チェーンになったスーパープリズムチェーン、多弾道になったスーパーサファイアアローに、巨大化したスーパーエメラルドソーサーと、非バンクで魅せに魅せた。ラスト2のバトルにふさわしい。

第2位:プリキュア達、キュアローズガーデンに到達

 「フローラさん、私達、来たよ」(夢原のぞみ)

 第1話の、一方向のコミュニケーションと言えるフローラさんからの手紙を受け取ったのぞみが、ラスト2で、ついにフローラさんに会いに来た。フローラさんの一方向のメッセージに、アンサーを返した。47話越しに、コミュニケーションを双方向化した。

 冷静に考えるとのぞみにはフローラさんに会いに行く動機が無いとはよくGoGo!の感想を書いているブログさん達の間で言われていたことだけど、これは、逆に「たいして理由がないのにのぞみは会いに行った」という部分にGoGo!の主題が込められているような気がする。あれだけのメッセージでは、擦れた感覚ではお返事を返しに行こうとは普通思わない訳ですよ。事実、館長はフローラさんからの「種」のメッセージを捨ててしまった訳ですし。だけどのぞみは、手紙をもらったのだから、メッセージを貰ったのだから、お返事をしようと、アンサーを返そうとただ思った。のぞみが万難を超えてフローラさんに会いに来たのは、ただそれだけ。それくらい、何かを伝えられたら、こっちも伝え返そう、そんなの、当たり前のことじゃない。手紙からはじまり手紙で終わるGoGo!という物語は、つまりはそういった「当たり前」のコミュニケーションについて描いた物語だった。伝えられても伝え返さなかったり、伝えたとしても相手のことを考えないで一方方向だけだったりなことが多い昨今なので、のぞみのこのシンプルな衝動は美しい。手紙で来てって言われたから、来た、それだけ。

 「フローラさん、私達、来たよ」(夢原のぞみ)

第1位:ブンビーさん、ありがとう。

 そして、シロップとプリキュア達の双方向コミュニケーション達成に隠れた、裏双方向コミュニケーション達成がこちら。のぞみと、ブンビーさん。

 シロップとのぞみ達が通じ合って館長の永遠を突破する様を、ブンビーさんが目撃してるのが上手い。そんなのぞみ達のあり方からブンビーさんが感じ取り、のぞみ達を評した言葉は、「ひたむきさ」。これはしっくりくる。のぞみ達がひたむきだったのは、誰にも否定できない。打算や大人的な計算を所々で見せていたブンビーさんには、それが眩しく映った。もうちょっと脳内補完するなら、現実に埋もれた大人の代表でもあったブンビーさんは、たぶんのぞみ達の姿から、自分もひたむきであった子どもの頃の純粋な気持ちを、少し思い出した。

 「はやく、行きたまえ」(ブンビーさん)

 そして、ここまでだったらのぞみ達のあり方に一方的に感動したブンビーさんが一方的にのぞみ達に協力してあげたという、美談だけど一方向コミュニケーションで終わるお話だった所を、キュアローズガーデンに向かう所で、のぞみがブンビーさんに振り返って一言言う訳です。

 「ブンビーさん、ありがとう」(夢原のぞみ)

 ここで爆涙してしまった。

 のぞみはブンビーさんの名前を知っていたという事実が明かされながら、達成される、ブンビーさんとのぞみの双方向コミュニケーション。それは、プリキュア5というシリーズの主題でもあった、現実に摩耗した大人と、夢を追う子どもとの対立という主題の決着のシーンでもあった。対立し合った大人と子どもは、ここで双方向の理解に達した。大人は夢を追う子どもにうたれて子どもを助けたし、子どもは助けてくれた大人に感謝した。プリキュア5シリーズは、間違いなく名作であった。

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 次回最終回。すでに『無印ふたりはプリキュア』最終回から続く闇夜を切り裂く一陣の虹色という絵が次回予告で出ていて泣きそうです。

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