4人目商法がハピネスなハリケーンを巻き起こしたここ最近のフレッシュプリキュア!ですが、僕の感覚的にはもう二年目いくだろうという気がしています。
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 基本的には、二作目が作られるかどうかというのは、商業として成り立つかどうか。少し実際のユーザーの実感と商業的成功には乖離があるかもしれないですが、それでも原則として、「商業として成功した=ユーザーの満足度が高かった」という公式が成り立つという話であります。

 1年もののアニメの制作とか、普通に●年単位で制作準備が必要なはずなので、毎年毎年この圧倒的なクオリティーの作品を週刊で届け続けるとか、プリキュアシリーズの制作サイドって一体どんなディレクションをやっていればこんなことができるのかと一社会人として素で疑問な感じですが(しかも間にオールスターズDXみたいな神映画まで作って)、とにもかくにもそろそろ(あるいはとっくに?)来年もフレッシュで行くか、行かざるかの判断を下して、次回作の準備に入っている頃合いです。

 この商業的に成功すると、次回作を作らなくてはならない……というのは、創作が資本主義社会に飲み込まれて以降の時代では、実はわりと昔からあることだったりします。

 プリキュアを欧米の少女小説の系譜から捉えることができる、っていうか無理くり捉えているのはこのブログの特性の一つですが、例えばかの『若草物語(Little Women)』とか、1868年とかだいぶ昔な気がしますが、既に作者のルイザ・メイ・オルコット女史はこの「二作目の圧力」を経験していたのが、色々な資料から読みとれたりします。

 ビビるほど『若草物語』が売れたので、ルイザの担当のトーマス・ナイルズ氏は営利優先みたいな人では無かったにも関わらず、それでも『若草物語』の人気をもうどうにも制御できなくなって、渋るルイザに続編の執筆を依頼せざるを得なかったという話があります。ものすごいユーザー主導な感じだったんですね。ユーザーの中にハピネスハリケーンが一旦吹き荒れてしまうと、もう、送り手としては、続・ハピネスハリケーンを起こすしかない、的な。

 しかし、この「二作目成立の条件」に関して、今も昔も本当に変わらないよなーと思うのが、「キャラクターの魅力」が重要な要因を占めている点。超高尚な哲学物語とかは、ある意味続編のニーズって無いのですよ。一方で、キャラクター押しの作品は、ユーザーの中にもう一度大好きなあのキャラクターと会いたいという気持ちを喚起させるので、めがっさ続編へのニーズが高まる。

 『若草物語』とか、ある意味キャラクター小説ですからね。4人の「キャラが立った」登場人物達の日常と人生を描いているという点では、フレッシュプリキュア!と同じです。これは僕独自の乱暴な見解かというとそれほどでもなく、「性格描写の確かさにおいて、近代の作家もこの古き作家に学ぶがよい」とルイザ・メイ・オルコットが言われているのは文芸史上の事実だったりもします。キャラクターと言えば、オルコット! みたいな。

 そして、ここから『若草物語』から『フレッシュプリキュア!』までを飛躍させて結合する独自展開に至る訳ですが、二作目が作られるくらいの少女創作って、やっぱり今も昔も同じだよね、という。

 4人のキャラクターを描いている。『若草物語』なら、メグ、ジョー、ベス、エイミー、『フレッシュプリキュア!』なら、ラブ、美希、ブッキー、せつな。

 母親の愛情を描いている。『若草物語』はお母さんの存在が特に大きいので、フレッシュの第24話は非常にそれが意識させられました。

 そして、日常にある楽しさや幸せを、vividに切り取っている。『若草物語』自体が、時に説教的と言われるほど、幸福論的な話が入っている物語ですが、フレッシュは特に幸せがテーマなので、そこがまた特に意識させられる。

 あんまり、こういうのは時代を経ても変わらないということなのかもしれません。フレッシュ第24話は泣けたという感想をそこかしこで見かけたし僕も素で感動していましたが、その源泉には家族愛への訴求があった気がします。南北戦争時代の危機を、家族愛が乗り越えていく様が『若草物語』は感動的なのですが、現代に至って色々混乱したり危機だったりする今だからこそ、その頃から変わらない家族愛への回帰には、何かしら胸を打つものがある。異様に長く尺をとって桃園家との疑似家族体験が描かれ、これが幸福かとせつなさんが実感を手に入れるのを描くとか、もう、これしかないという感じでしたよ。

 そんな感じで、最近は4人でも変身して必殺技を放ったりするようになりましたが、昔から変わってないところは変わってないよなというお話。100年以上前に『若草物語』が女児読者のハートを鷲づかみにして売れまくったように、4人目話が受け入れられて、パッションハープがバカ売れすればいいなと思っている今日この頃でした。

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