映画化合わせで色々動いてるようなんですが、とりあえず『ザ・マーガレット7月号(5/24発売)』から長沢智さんのコミックス版が連載再開とのこと。
それに合わせて初代薔薇様達卒業で一区切りしていたこれまでの漫画分が文庫化されるみたいなので、導入にはちょうどいいかも。
原作は今野緒雪先生の傑作少女小説です。たぶん、従来のイメージの雑誌の新人賞をとって、それから書いてヒットして映画化まで……パターンで大きい物語になっていく日本発の少女小説では最後になるんじゃないかという作品。雑誌コバルト自体が隔月誌になり、そもそも雑誌媒体が変遷期に来ている現状を考えると、次に『マリア様がみてる』級で多くの人に共有される少女小説のヒット作が現れるとしたら、別パターンだと思っています。
そういう意味では一昔前の大きい物語の象徴だった実写映画になるのは結構嬉しかったり。日本少女小説史の一つの区切り的なイベント(映画自体と言うよりも、映画を機会に盛り上がってみるのが)と捉えてみてもいいかも。
僕個人でも、人生上影響を受けた作品を10作選べみたいな難題を突きつけられても、これは外さないであろう大事な作品。原作が終了したので(いちおう「ハローグッバイ」で一区切りと解釈) 最近でこそあんまり話題にしてませんが、一時期原作小説からアニメ版まで語りに語って、このブログの中心的な話題だった作品です。興味がある方はサイドバーの(携帯で見てる人は画面下の方の)カテゴリから切々と語ってる感想カテゴリでも読んでみて頂けたらと思います。
もうね、凄いよ、この作品は。キャラクターの魅力から作品主題、少女小説史的意義、緒雪先生の主客混合三人称みたいな使いこなせる人が日本の作家でもあんまりいないであろう文体まで、凄さを語るにあたっての射程が広すぎる。
アニメ版由乃役の池澤春菜さん(プリキュアのポルン役)とイラスト担当のひびき玲音先生がTwitter上でネタの応酬をしている最近のメディア環境も意味不明で熱いです。玲音先生自身が描いたマリみてキャラがフレッシュプリキュア! のコスプレをしているイラストが表紙の同人誌などもあり(志摩子さんがベリーのコスプレしてたりする)、本当意味不明です。
個人的にも時代的にも、ときどき振り返って色々基点にしたい作品です。
マリア様がみてる 1 (集英社文庫―コミック版) (集英社文庫 な 50-1)
マリア様がみてる 2 (集英社文庫―コミック版) (集英社文庫 な 50-2)
マリア様がみてる (マリア様がみてるシリーズ)
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