●ハートキャッチプリキュア!第23話・感想補遺
「力がなくたって、守ってみせる!」(明堂院いつき)
先にプリキュアになってしまって、力に本体が追い付いてこないというのが描写されていた花咲さんと、対照になる変身なんだと気付きました。
花咲さんのそういう物語(先にプリキュアになってから、中身が伴っていく、成長していく)ゆえに、プリキュアに変わればとにかくイイと言うものではない、プリキュアになれば何でもできるというものでもない、という要素がまずハートキャッチにはあったんですが、いつきさんはその問題のハードルをクリアしている。つまり、たとえ力がなくても、プリキュアに変身できなくても、素の力で立ち向かった。第15話でいつきさんは生身でクモジャキーに立ち向かっているだけに、説得力があります。
この、変身後と、変身前は同一人物。変身前が本物だからこそ、プリキュアも本物になる、と言うのは、ハートキャッチの「内面-外見」のテーマに対応しつつ、フレッシュや映画オールスターズDX2でも描かれていたり。
サソリーナさんが、「金色のプリキュア!? 目立ち過ぎよ!」と言っているのも、衣装自体はサソリーナさんも金色を着てるんだけど、いつきさんは本体も、内面も黄金、というのを表現したかったんだと思う。
●映画プリキュアオールスターズDX2・感想補遺
上と同じ文脈で、ピーチが助けに来てくれた所で、花咲さんが変身前の桃園さんを思い出して、ピーチと重なる……というシーンがあります。
桃園さん本体のロースペックっぷりは映画序盤で花咲さんもさんざん目撃してる訳で、おそらく、ここも「変身後と、変身前は同一人物。変身前が本物だからこそ、プリキュアも本物になる」を表現していると思われる箇所。
花咲さんの理想を桃園さんが先に体現していたと言っても良いかも。花咲さんは「人は変われる。自分も変わりたい」と思ってるんですが、本当に、変わって見せた人がいる。しかもこの時点での花咲さんのように外見だけのファッションプリキュアじゃなくて、本体も備えた形で、という。桃園さんカッコいい。
「本体でも幸せゲットできる」、「本体がそれくらいがんばってるからプリキュアも強い」というのはフレッシュで実は通過済みのストーリーラインだったりします。第1話ではプリキュアとしてステージ上に上がった桃園さんが、最終回では桃園ラブ本体でステージに上がってダンスを踊る……という一連の流れ。
沖縄回の「いつものあなたでいいと思う」の流れ。これは、逆に読むと、いつものあなたが頑張ってないと、表面的に変身だけしても意味がない、ということで、そのままハートキャッチのテーマに受け継がれているんだと思いました。
◇◇◇
とりあえずサンシャインと月影さんの絡みが楽しみ。上の文脈で、月影さんが「認めない!」と言ってた当時の花咲・来海よりは、いつきさんはステージがアップしてて、また2クール以降のストーリーで花咲・来海も成長してるんですが。
やはりそろそろムーンライトさんも来るのか。地味にDX2とも主題がリンクしてる。「頑張りたい」と叫ぶしかなかった花咲さんが、先輩(劇外では桃園さんら、劇中では月影ゆり)と一緒に頑張れるステージに、ようやく向かおうとしている……。確かに、そろそろマントの出番だ。(えー)
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