長年稀覯本になっていた(1万円とかプレミア行っていた気が)上北ふたご先生が描くコミックス版の『ふたりはプリキュアスプラッシュスター』1巻が、先日Amazonさんで謎の入荷を果たしたため、いそいそと注文し、届き、読んだので感想です。

 くはー。(←悶えている模様)
 ◇◇◇

 全体的な感想を言ってみますと、悶え転げてしまうので、読む際は注意が必要です。これは凄いな……。うっかり100万円とかでも買った人いるんじゃないか(えー)。

 第1話からして何かがヤバイです。



 あたしのコト見てる……

 なんだろ……なんか……

 ……なぜか
 なつかしい……




 日向さん視点から見える謎の美少女美翔さん。

 気になって気になって、そんな美翔さんのことを理解したいと願う健気な日向さん。そして何やら意外な一面も見えてきたりして(美翔さんは時々激しい人)、でもそんなのが分かってくるのも嬉しくて……みたいなストーリーラインがカレハーンさん撃破まで辺りの序盤は着々と描かれます。

 初々しい。そう言えば僕は、その昔プリキュアにこういうものを求めていたような……。



 あたしは舞が大好きだから!!ねっ!!(日向さん)

 咲!!(キュンとした表情で)(美翔さん)




 全体的にTV本編を越える勢いで百合百合しい。そして表情や仕草の一つ一つに色香が漂っている。そろそろ双子の上北さんを国宝に認定する議論を開始すべきか……(えー)。

 そんな「違う二人だからこそ理解し合いたいと願える」というプリキュア文法も、その裏で「運命の二人」要素に裏付けられちゃってる辺りがまた心地よいです。咲舞が理解し合っていく過程はどうせ「運命の二人なんだから」で規定事項とも言えるんですが、背後に結構な世界観が広がっているので、奥行きが感じられる「物語」になっています。大空の樹の下で出会った二人は運命の二人とか、いいな……。もっと大きい物語論みたいな話にまで踏み込めば、最後に宇宙の始まりがどうこうという話がちょっと入ってくるS☆S的に、花(大地)と鳥(空)が運命の二人っていうのは中々に意味がある。ギリシャ神話を始め、まず大地と空から世界が始まったみたいなのは、世界各地の神話の一つの定番だったりで、やっぱり何かしら人間はそういう話に感じ入る所があるんだろうなーなどと。宇宙の始まり以前の無で、静かでいいじゃん的なゴーヤーンの主張を、いや、そこから生まれた星々の多様性には意味があるっていう主張でスターをスプラッシュさせて倒しきるのがS☆Sのラストですが、改めてストーリーを追ってみると、最初の方からだいぶ仕込まれていたのが分かります。

 そういう大きい話での多様性の是の話と、小さいレベルでの、美翔さんの、一人で絵の世界に没入しがちだった所から、日向さんのおかげで多様な色んな人達と心開いて関わっていくのいいよね……と思えるようになっていく……というストーリーラインが地味に重なります。「だからプリキュアはふたりなの!」か……多様性の是っていうプリキュアシリーズの一つの作中善が本格的に確立したのって、S☆S辺りかもなと思ったり。

 あとは後半に満さんと薫さんも出て来ますが、この二人も何やら可愛さが異常なことになっています。巻末のおまけ漫画とか! 満さんの私服姿に、美翔さんフィルターから見える日向さん……とか、何かがおかしい!

 未刊行の2巻部分も、語り草になっている伝説級の何かが感じられる内容らしいので、切に刊行を願います。尺が決まってる中で、他の要素を切り捨てつつかなりの程度満と薫の心情描写にページを取っているので、これは終盤良さそうだよなー。講談社さんお願いします!

ふたりはプリキュアスプラッシュスター(1) (KCデラックス)
ふたりはプリキュアスプラッシュスター(1) (KCデラックス)