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 「"人事を尽くして天命を待つ"とは言いますが……」(花咲つぼみ)

 ハートキャッチプリキュア!第36話「みんなが主役!私たちのステージです!!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。

第1位:人は変われる

 話数的に日常パートのグランドフィナーレ的なお話だったのでしょうか、今までのゲストキャラ達やその周辺の人間関係も含めた「みんな」でファッションショーという「変わる」ステージを表現するお話。

 ゲストキャラのマユとアヤ(工藤真由さんと池田彩さんだ!)が抱えていた今回の心情、「勇気がもてない」「来海ももかと比べられるのが嫌」というのが、それぞれ物語冒頭で花咲さんと来海さんが抱えていた問題だったのが熱い。36話かけて変わってみせた二人が、今度は助ける版。ラストシーンのつぼみとえりかが手を合わせるシーンは泣いたよ。

 コブラージャさんも良かった。この人はこの人で当初から自分が一番美しい、自信もあるという信念をずっと貫いている人で、清々しい。「臆病者は臆病者のまま」と、それも多くの人にとっては真実であろう「人は変われないんだよ」ということを言って、それに対して変わってみせた花咲さんがそんなことは無いと盛大にぶち切れてみる構図も良かった。36話分の是非をかけてのブチきれ。今日の堪忍袋の緒の切りっぷりはひと味ちがうぜ。

 メインキャラから細々としたゲストエピソードのゲストキャラ達まで、少し「変わって」みせた感が丁寧に描写されているのが良いです。軽音楽部の「待ってるみんながいる要素」「仲間がいれば何とかなる要素」はゆりさんの物語と重なるし、明道院家の面々がいつきさんのファッションショーを見に来るというのは、家の問題で心を萎れさせていた頃のいつきさんとは明らかに変わったのが表現されている。おじいさんが結構ノリノリなんだけど、おじいさんはおじいさんで、孫が自らの本然である「可愛いのが好き」というのを抑圧していたのに思うところがあったのかもしれない。だから、いつきさんが「可愛い服を堂々と着る」という今回のイベントをノリノリで祝福している。

 番くんの会場にお母さんがいる姿が描かれることで、漫画を描いていることを親に言えないという番くんの状況や心理も昔と変わったのが描かれているし、何より一瞬なみなみがステージ上からお父さんと妹さんを見つけるシーンは泣いたよ。まじ泣いたよ。母親がいないから、妹の面倒を自分がみなくてはいけない。自分は自分の好きなことなんてできない。当事者(舞台の上に上がるような人)にはなれないと思っていたなみなみの物語が報われたのがあの短いシーンで表現されている。最近は何気なくファッション部にいたけれど、妹さんのお世話と折り合いつけるのに、何かと苦労してたんだろう。それでも続けてきたんだろう。またお父さんや妹さんも協力してくれたんだろうとか思って涙腺にきた。そもそも、独りだった月影ゆりから、花咲、来海、いつきさんを含めたプリキュアのみんなという仲間に、そこから、学園のみんなという仲間に、そしてもっともっと、学園のみんなのその家族という、関係性があるもっともっと大きい仲間に……と、「仲間」が拡大されていくのがここ最近のストーリーラインだったんですが、短いあのなみなみのシーンで、プリキュアだけじゃなく、なみなみだけじゃなく、お父さんも妹さんも頑張ってたんだ感が表現されています。今回のサブタイの「みんな」の意味はかなり広い。感動。

 そして、そんな「変わった」みんなのイベントであるファッションショーが、誰か(軽音楽部)の犠牲の上で成り立つ所を、舞台演出自体をギリギリで「変えて」、悲しいこと自体を「変えて」みせた来海さんがカッコ良かった。今回のMVPは来海さんだな。思い返すと今回の軽音楽部はもちろん、なみなみからいつきさん、ゆりさんまで、変われたことに来海さんの要因は大きい。変わる人よりは変える人。ナチュラルにこういうことができる来海さんみたいな人は本当尊敬するわー。

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エクセレントモデル ハートキャッチプリキュア! キュアブロッサム
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→前回:第35話「ワクワク学園祭!ファッション部はバタバタです!!」感想へ
次回第37話「強くなります!試練はプリキュア対プリキュア!!」の感想へ
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