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サソリーナさんをはじめ、三幹部とプリキュア3人のカラーがほぼ対応してるのは、「幹部達が辿り着けなかった代案にプリキュアさんは辿り着いた」なのかなと思いました。
地味にいつきさんがクローズアップされていた回でしたが、サソリーナさん本体(療養所にいた方)の悩みが、断片的な情報(花言葉とか)から通り、「健康な人間への嫉妬」「(学校などに行けなかった)仲間がいない寂しさを紛らわしたい」なのだったとしたら、いつきさんはサソリーナさん本体と同じ「病気」ワードのお兄さんを照らして見せた人だし、生徒達の充実した学校生活に尽力し、自分も体現した人。
なので、色対応説からすると、クモジャキーさんの悩みは何かメンタル面(花咲さん対応)で、コブラージャさんは外見関係か兄弟関係(来海さん対応)だと予想してみます(ダークさんは勿論ゆりさんが対応ね)。
また、「幹部がゲストキャラの悩みをバカにする→花咲さんがその悩みも貴いとブチ切れる」の繰り返されたフォーマットの意味も分かってきた回でした。
つまり、三幹部側はわりと深刻な悩みを持っているので、本当に相対的に小さく見えるゲストキャラの悩みに一言言うだけの素性が一応ある、ということ。それに対して、大きい深刻な悩みはないんだけど、小さい悩みの方に共感できる花咲さんがブチ切れてみせる……という話だったのだと。なんか悲しい物語だよなとしんみりした感が漂い始めているんですが、三幹部の方も、心の悩み自体は否定しない(できない)人だった。花咲さんとの対立点は、悩みの度合いの相対度において、どの辺りに共感できるか、という見解の違いだけ。「そのくらいで悩むなよ、俺なんて……VSそれくらいでも悩みは悩みなんです、バカにしないで下さい」闘争だったという。滑稽にも見えて深刻。みんなみんな悩んでいる。
ただ、花咲さんだけ小さい悩みにブチ切れられるのは、前述したように当人自体は深刻な悩みは無い、というか物語冒頭時点で解消されている人だから、というのは結構じんわりくる所。
今までのゲストキャラにもそういう子が多かったように、「親に優先して貰えない」問題は、ハートキャッチの物語開始以前に花咲さんも持っていて、忙しい父母の元に孤独だった。のだけど、第1話以前の時点で、その悩みは両親の決断で癒されていた。
ハートキャッチ劇中だと、第1話で転校して来る前にということになるけど、劇外も意識していいなら、先行するこれまでのシリーズで、この深刻な悩みは、解決してくれた人がいたから、とも捉えられます。
ほのかは海外に行ってしまった両親に対して、少し犠牲者意識を感じていた。(なぎさや志保らが泊まりに来る回で、「こんな広い家に二人だけなんてイイね」という志保に顔色を変えたりするし、MaxHeart最終回冒頭では、海外に飛んでいってしまった両親を想って幼ほのかは泣いている)。
美翔さんも、置いて行かれたまではなかったけれど、劇中に「両親は仕事が忙しい」という描写がある。劇中で明示的には言及されなかったけれど、「他人とのコミュニケーションよりも一人で絵に没頭してしまう」という物語冒頭の美翔さんの課題は、両親が忙しい文脈で身につけた防衛機制的行動だったんだろうというのが自然な解釈だと思う(一人ぼっちで絵を描いてるくらいしかなかった、ということ。劇中で明示はないですが)。
かれんさんも、生徒会長とか、「みんなから必要とされる人」になっていったのは、一番必要として欲しかった両親は家にいないからの裏返し……という人。
イース/せつなさんに至っては、当初の親ポジションのメビウス様に必要ないと殺されてしまった。
ハートキャッチ全体でもシリーズ文脈を意識させる話が豊富だし、特に第1話は四つ葉のクローバーと花咲さんが着ているシャツにプリントされた「7」の字が印象的で、今思えば、この娘はシリーズ文脈のその後にいる……的な表現だったんだと思う。
美墨さんが、日向さんが、夢原さんが、桃園さんが、獅子奮迅して、深刻な問題に関しては、解決してくれた後にいる。当人の悩みは、せいぜい引っ込み思案を直したい、何となく変わりたい、程度。
なんて幸せな人間だという感じもするけれど、それなりに幸せな人間にしか出来ないこともある。
劇場版の
「深い事情は存じませんが」
が凄い好きなんですが、通りすがりのプリキュアとして、袖触れあう人達の悩みにほんの少しだけ助けになってあげられるのは、本人はそれほど深刻な悩みがなく幸せな人だからだと思う(良い意味で、そんなに余裕はないけど、ちょっとはある)。
逆に劇中ではゆりさんとダークさんが深刻な「親の問題」をシリーズ文脈として継いでしまったし、みんなみんな悩んでるんですが、とりあえず、花咲さんは堪忍袋の緒をブチ切りながら、ちょっとだけ頑張れる強さがある。何故なら、自分の一番の深刻な問題は、物語開始以前に解決しているから。
序盤は物語の山場で花咲さんもデザトリアン化するのかなと思って視聴してたんですが、今ではたぶん劇中主要登場人物達の中で、花咲さんだけデザトリアン化しないで(というか心の花が枯れないで)終劇するのかな、と思っています(というか、たぶん第1話以前の両親が仕事でいなくて孤独だった頃に、花咲さんの心の花は萎れていた。だけど、プリキュアさんがいなくても、その花は直っていた所から物語が始まっている所に意味がある)。
ディケイドっぽい話ですが、花咲さん本人の物語は一番深刻な部分は解決済みから始まっていて、あとは袖触れあう悩める人達がいる世界を旅していくが如くが、花咲さんの物語だ、みたいな話なのかなと思うので。
ハートキャッチもTV本編はあと2ヶ月ほど。花咲さんには、最後のゲストキャラになるであろうサバーク博士とダークさんに関しても、「深い事情は存じませんが、けど……」で通して欲しいななんて期待しながら視聴しようと思います。これはこれで、何か新しいカッコ良さであってヒロイン像だ。
S.H.フィギュアーツ キュアブロッサム
→映画ハートキャッチプリキュア!花の都でファッションショー…ですか!?/感想
→前回:第40話「さよならサソリーナ…砂漠にも咲くこころの花です!!」感想へ
→次回第41話「妖精が変身!?プリキュア劇団はじめました!!」の感想へ
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