「全て砂に埋もれるがいい」(デューン様)

 ハートキャッチプリキュア!第45話「もうダメです…世界が砂漠になりました…」の感想です。
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 今回の見所ベスト3。

第3位:変身解除能力

 「変わる」っていうテーマの一番象徴的な「プリキュアに変身」を一瞬で解除してしまうデューン様の攻撃。作中の前向きな変化だった、「徐々に心の大樹に花が咲く」も、一瞬で大樹を枯らしてしまったように、どうもデューン様のポジションはそんな感じの模様。

 そして「変わる」と言うよりは「戻った」感じのデューン様は若いままの青年で、因縁のキュアフラワーは変身解除すると、もうお祖母ちゃんになっていると言う。歴代プリキュアシリーズのエッセンスをハートキャッチ(魂を継ぐ)してるのが顕著なハートキャッチだけど、これは夢原さん(GoGo!)の最終章の話でもある(そう見てみると、デューン様とキュアフラワーの関係も館長とフローラさんの関係っぽい)。

 結局、肯定的な変化なんて、なかったんじゃないか、結局全部砂漠になっちゃったし……というAパート。


第2位:砂漠に咲く花

 しかしたやすくデューン様に全滅させられるほど、今作の一般人のみなさん、特に一旦心の花を枯らした人達は弱くなかった。言われてみるなら、砂漠とか枯れるとか、それでピリオドとはそうそうならない。ギリギリまで弱っても、ちょっとした人達の助力(劇中ではプリキュアさん達の助力)で、もう一度花を咲かすことはできる。ゆりさんなんか、一旦枯れきってもまた咲いたしね!

 もも姉の最後の見せ場であろう、世界は砂漠になり、人間は心がない水晶になってしまった→何故かもも姉は生きていて来海さんに抱きついて来る……は良かった。あんなに嫉妬し、疎んじた姉が、生きていてくれるのが嬉しい。そこからファッション部の方とか、地味だった演芸部の部長さんとかの脇キャラ、そこはかとなくいる人々、だけど本当は一人一人に物語がある人々、少しの縁でプリキュアさんと交差した人々の励ましで、折れかけた花咲さんが立ち直るまでの流れも良い。だいぶ絶対絶命だけど、まだ終わってはいない。直接的には役に立たなかったけど、なんやかやとゲストキャラのみなさんをちょっとだけ助けてきた40話越えの物語には意味がある。たやすくなかったことにはできない。


第1位:出撃

 そんなこんなで、立ち上がったプリキュアさん敵本拠地へ出撃。

 出撃シーンの「写真を撮る」の、ゲストキャラのみなさんとプリキュアさん達のほどよい距離感も何か良かった。劇中でずっと守り続けた、「問題の本質までには介入できない、けどちょっとは助けたいんだ、応援したいんだ」という距離感だった気がする。プリキュアさんがゲストキャラ各々の物語の深い部分までは介入できなかった様に、ゲストキャラのみなさんも、実はプリキュアさん各々の物語のことは知らない。キュアフラワーが捕らわれているとか、歴史的な因縁とか、個々の娘さんはそれぞれに精神的な悩みを抱えたただの人だったとか、そういうことは実は知らない。実際例えば写真部の娘さんが個々のプリキュアさんの深刻な悩みを聞いても、深く介入することも解決してやることもできない。でもちょっとだけ応援させて下さい。私も悩んで苦しい時、ちょっとだけ助けてくれた人がいたので、という距離感。

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 残り4話、かな。時代的な共感値が高い。敵も味方もとにかく苦しいのは同じ。だけど全部なかったことに、砂漠にしちゃえばいいとは思いたくないし、全員完全に助けるなんて無理でも、当たり前の善意は忘れたくない。病気でボロボロだったお兄さんがいつきさんの心配をしてるとか、寡黙なコッペ様がキュアフラワーを連れて行かれたのには怒ってるとか(喋ってないけど!)そういう描写が良かったのでした。

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→前回:第44話「クリスマスの奇跡!キュアフラワーに会えました!!」感想へ
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