今回の見所ベスト10。
第10位:ルミナスポイント高い
即行でおもちゃの国の兵隊さんに追いかけられてる辺りがポイント高かったです。相変わらず薄幸感が漂っている。設定上もわりと普通に薄幸で、細かい場面場面でも薄幸(過剰労働など)。オールスターズ扱いなら桃園さんに励まされたりしてそうなルミナスです。
一方で、必殺のハーティエルアンクションが炸裂する箇所は、個人的には一番オールスターズの醍醐味が味わえた箇所でもありました。ピンク、ブルー、イエローへのシャッフル設定も上手くテーマ上もエンタメ上も働いた感じ。トイマジンさんとサラマンダー男爵という凄い情状酌量の余地がある相手に対して、オールスターズなら、「一旦動きを止める」という作戦が可能。我らのルミナスのおかげで!
・全力で謝るために走る。
・深い事情は存じないけどオーケストラさん召還。
で対応した桃園さんと花咲さんの方が、実はテクニカルだった的な気づき。
第9位:変身シーンが長い
だいぶテンポよくバンクを繋いではいるんですが、それでも21人変身になると、よくぞここまで長くなったものだ的感慨が。「5」組が変身してる辺りが「まだ半分」ってどういうこと? 感。
積み上げられてきた歴史が感じられる箇所でもありました。こういうシーンを本編で重ねてきたからこそ、エンディングのあの描き方が映えます。
第8位:パッションさん
21人もいると全員を最初の視聴では追えないんですが、気付くとせつなさんばかり追っていることに気付く罠。
個人的なフレッシュでのご贔屓変遷史は、せつなさん→桃園さん→ブッキーさん→美希たん(実は今ここ)と水面下で変遷してたんですが、やはり自分の中では原点にせつなさんがいるのか……。
また、この子はたぶん天然というより普通に真面目なので、特に何の懐疑もはさまずしっかりと理不尽なイエローチームのゲームをこなしていたのが面白かったです。うららほど、ここぞとばかりに前に出ない。夏木さんほどつっこみもしない。野球? 精一杯、頑張るわ!
第7位:ブラックホールが大ボス
ドツクゾーンをはじめ歴代の敵組織の怨念から、フュージョン様やボトム様といった映画DXのボス格までも飲み込んだ、最後の大ボス。制作経過は興行成績次第とはいえ、こういう三部作の最後に本当の黒幕が登場的展開は燃えます。
「全てを飲み込む」も、多様性を尊重した上での協調が是であるプリキュア勢とは逆の全部一緒になってしまう方向での力の集結で、テーマ上も熱い。
第6位:夏木さんの負担が相変わらず大変なことになっている
『5』の頃を思い出して安心します。
ミルクや来海さん辺りも一応つっこみ役には回ってくれるんですが、それでも常識人度が夏木さんが20くらいだとミルクらはまだ7とかその辺りの感じなので、結果、残りの20人への総ツッコミを担当するような形に。
また、イエローチームでのうららの所業に関しては、いくらシャッフルされてるとは言ってもそこは身内意識的に「うちのうららがスイマセン」感が漂っていて面白かったです。
第5位:例え目の前にいないとしても
今回は三部作のラスト扱いで、テーマは「旅立ち」。ポジティブなイメージがある反面、今までずっと一緒にいた人との別れや、その人からの自立が意識される側面もあります。
最愛のパートナーがいない状態でピンチのブルーチームなれど、解答は、場所的に別れても、パートナー達とは気持ちで繋がっているというもの。DX1の、「世界が繋がった」ことを表現していたのぞみのキー台詞、「同じ空の下にいる」の明確なアンサー。今度はそれとは逆説的で、だけど一歩深まった考え方として、「例え世界がバラバラになっても、それでも繋がっているものは絶対ある」。
第4位:新規描き下ろしの合体必殺技
燃えたよ。
一旦の別れを通して、「バラバラになっても繋がっている」にさらにパワーアップした元祖コンビやチームが、それぞれの敵に対して、通常合体必殺技を炸裂させる。
自分達本編の映画ではスーパーフォームの超必殺技で倒したのを、通常合体技で倒してるのは、相手が偽物というのを差し引いても、彼女ら本人のステージアップも大きいのだと思いました。夢原さんが自分の映画本編ではスターライトソリューションで倒したムシバーンさんを、まったく同じ構図で、「抜き」を意識した残心を効かせながら通常シューティングスターで倒した所は鳥肌が立ちましたよ。
また、フレッシュ好きとしては描き下ろしのプリキュアフォーメーションが観られた箇所も涙ものでした。リーフをセットしていって四つ葉のエンブレム&フォーメーションになるこの技好きだー。
第3位:例えもう会えなくなったとしても
プリズムフラワーの最後の力を使って変身すれば、プリズムフラワーの力は失われ、謎生物たちと彼女達の世界は別れ別れになってしまう。前半のチームシャッフル、世界分断時に突きつけられた命題が、より深刻な形でもう一度突きつけられます。
新人の響さんが、最初に立ち上がった夢原さんを思い出して、それでも前に進もうと語り始める展開もいい。ココと夢原さんや、かれんとミルク、など、別れが深刻な面々もあれど、本当に「場所が、世界が別れても繋がっているものはある」のだとしたら、前に進めるはず。
第2位:夢原さん
三部作ということで、DX1で明らかに他のキャラより一段重要度が高かった夢原さんが、やはりこのフィナーレでも焦点があてられていた気がする。DX1で「同じ空の下にいる」と言った夢原さんが同じ空の下にいられないかもしれないことを突きつけられる。それでも響さんが諦めかけた時、最初に立ち上がったのはDX1で桃園さんが見た背中そのままに夢原さん(僕の夢原さん贔屓抜きにしても、テーマ上、構成上、ピンクチームの中でも最初に立ち上がるのは夢原さんしかいないと思う)。水無月先輩がドリームなら真っ先に立ち上がるはず、と言った時、別の世界にいるのに確かに真っ先に立ち上がっていて、この映画の解答を体現してみせる夢原さん。分断された世界から、世界をもう一度繋げるためにシューティングスターで道を切り開く夢原さん、全てがカッコ良かった。
「同じ空の下にいる」から始まった映画DXの物語が、「例え違う空の下にいても」で決着する構成美も相成って、やはりこの映画はこの台詞をDX1で最初に言った夢原さんの映画でもあると思ったのでした。
第1位:エンディング
主人公達の号泣絵の決め絵と、謎生物たちとの各本編での出会いのシーンを連続して流すというエンディングは反則。泣いたよ。『ふたりはプリキュア』のあの第1話、タイムリー放映時にリアルタイムで見たよ。キャラクターの涙は一種の卒業の涙であり、映画本編はそれでも進み続けよう、という内容でした。各キャラクターのみならず、各シリーズやプリキュアという作品そのものにかけているであろう点も爆涙度が高かったです。
生まれてくる花と人々の心が繋がっているという心の大樹の設定を生かした最後のオチも素晴らしい。各シリーズにこのテーマは入っていたけど、色濃く担っていたのは「5」と「ハートキャッチ」。館長が示した悠久の固定された永遠よりも、種から芽へ、芽から花へ、花からまた種へ、と滅び、また生まれ、と繰り返されながら進んでいく自然循環的発想での永遠を選んだのが「GoGo!」のラスト。だとするならば、花が一度失われても、また咲くこともある。
そういう訳でプリズムフラワーも、また種から芽へ、芽から花へと次の循環として咲き始め、だからこそ、また世界は「繋がる」。映画DXシリーズが完結して、新しいステージに向かうプリキュアシリーズにかかっていて、素晴らしいと思ったのでした。
良い映画でした。
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