「カップケーキが食べたいニャ」(ハミィ)

 スイートプリキュア♪第32話「オロオロ〜!ヒーリングチェストが盗まれたニャ!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。

第1位:認識上のフェイク

 三本目の桜問題からはじまり、セイレーンさんの変身能力、角度(見え方)だけ違って実は同じ決めポーズまで、「本物なのか偽物なのか」「認識上違って見えただけで同じだったんじゃないのか」みたいな要素が延々とつきまとうスイートプリキュア♪ ですが、今回もやたらとフェイクや見え方次第という要素が豊富な回でした。

 ミューズに焦点があたってる所からしてどうしても展開上(ミューズ/アコ)の本物なのかフェイクなのか、どっちがどっちなのか、またはどっちでもないのかというのが意識される作りになってますし、ミューズの側にいるドドリーも、(ドドリー/ドリー)でこの問題が絡んできますし、バスドラさん達も今回は変装しますし(見え方を変えた。そして響さん達はそれに気づけない)、ヒーリングチェストもフェイク品に替えられてしまって、それに基本誰も気づかない、なんて展開が描かれます。

 そこに被せるように、見え方、認識側からの視点として、女の子にはプリキュアの方がウサギをイジメてるように見えたという展開まで描かれます。スイートが、作品の核心付近のギアを上げてきている……。

 ここまで細かいギミックで本物か偽物か、見え方が立場によって異なるんじゃないの問題を描いている以上、何か縦軸の大きいストーリーラインにもこのネタが仕掛けられてるんだろうな……。ミューズさん以外では、やはりアフロディテ様に何かしら別の見え方が出てくる、というのは最早必須に思われます。

 ただ、それでも三本目の桜問題も解決したように、セイレーンさんの変身能力は失われ、自身のビートに従うというエレンさんの本質のみが確信として残るという一つの解答が描かれているように、何かしら「共通見解に至る」という筋道は示されています。見え方違うようね、人それぞれだよね、の相対主義で終わりではない作品。あるいはその「共通見解に至る」までの道筋が、違うものを見てそこに閉じこもってバラバラになって孤独に喘いでいた所から始まるこのお話の、ストーリーラインなのだと思うのでした。

 地味に劇外の視聴者をも巻き込んだメタネタです。アフロディテ様が黒幕だとか、ミューズはスイーツ姫だとか、北条さんの太ももがセクシーだとか、今はみんなバラバラなことを言っている。見え方は違う。だけど、きっと最後には一定の共通見解に至れる! 至らせてくれ!

 だけど一方で、たぶん自分のビート(作品の見方)は大事なんだ。深い……。

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