スイートプリキュア♪第33話「ホワワ〜ン!みんなの夢はプリキュアの力ニャ!」の感想です。
今回の見所ベスト1。
第1位:世界は広がって(繋がって)いく
第二話の奏がプリキュアやってみよう的なことを言って、高い所から二人でがーっと遠い空を見つめるシーンが何かが広がっていく予感を感じさせてくれて好きです。第一話時点では響さんはあらゆる意味で閉じてしまってる状態で、一番の悩みである「奏と仲違いしてしまってる」も、何か狭い範囲での話で、これは下手すると「キミとボク」だけで世界や人間関係が閉じてしまうセカイ系な発想。もう一つの悩みである家族問題に関しても、物語冒頭時点では母親が世界中を飛び回ってる飢餓感と、お父さんに昔コンクールで認めて貰えなかったトラウマが主たる要因で、これもかなりの程度閉じた小さい世界での話。
ただ、小さい世界での話をバカにしている訳ではなく、そこが片づかないと、次の世界に広げていけないというのは分かる。やはり、まずは家族だし、伴侶との関係だし、そういうのが癒されてないと、広い世界で誰かを助けたり、少し遠い他者に笑顔を分けてあげたいとか、そういう余裕も出てこない。そこを無理に飛ばしてやろうとすれば例えば『5』の水無月両親や『ハートキャッチ』の月影博士になってしまうのであって、プリキュアシリーズ定番の家族問題起因で孤独なトラウマ娘を生み出してしまうことになる。そういう意味では、響さんはマジ孤独回避ルートな主人公だった。ほのかもかれんもゆりさんも、孤独を知ってるからこそ強いの的要素を一心に背負って闘ってると考えるとカッコいい。
そんな感じで、奏さんとの関係は修復し、お母さんの愛情も確認し、お父さんのあの日の言葉の意味も理解しとステップを踏んだ上で、いよいよ奏のためだけじゃない、家族のためだけじゃない、少し遠い世界の誰かのために音楽を奏でたい、と響の世界が広がっていく感じは良い。もともと、音楽にはそういう特性があるのだから、いよいよそこに向かっていく時がきた。コンクールでの演奏をお父さんに評されるというイベントも、昔のトラウマイベントと同期していて、今度はここから次の世界へと進み始めるんだ感が半端ない。世界が広がっていくのは奏も同じ。お父さんがお店を開いた動機は、お母さんのためにだけカップケーキを作るという、キミとボクのセカイだけで終わるためじゃなかった。少し遠い誰かのために、カップケーキで笑顔を分け合いたかった。奏さんも「まずは響を笑顔に」と響さん専用カップケーキを作って渡して原点を確認してから、少し遠い誰かのためにと進み始めるのもいい。
そして、そんな世界を広げて誰かを幸せにしていく可能性秘めた二人の夢を守りたい、それを守るのが私の夢と闘うエレンさん、マジ『仮面ライダー555』第8話のたっくん(え)。確かに、少し遠い誰かに幸せを与えられる人がいるとして、それは単独でできるミッションではなく、アーティスト的な人とサポーター的な人が必要。歌姫とかスポットライト浴びる方を目指してたセイレーンさんが、サポーター的な自分の本質に気付くというのも、マジ自分のビート。
こうしてみんなが自身のビートに気付き、世界を広げていく中、何とミューズさんがどうやらそういうことができない人的なポジションに。響さんは捨てられた覆面(変装)を付けたまま、何やら少し狭い世界の問題に決着が付いていない様子。こ、これは、導くポジションにいるキャラと思わせておいて、実は救ってあげないといけないキャラだった的な展開なのか。
変装(装飾・フィルター)を解いた末の自分のビート、あなたのビート、みんなのビートっていうテーマはいいな。変わりたいという願いと、変わらない自身の本質や変われなかった過去の自分を抱きしめるというハートキャッチのノリも継いでいる感じ。どう変装しようと奏は響と分かるし、どう装飾しようと思ってもお父さんは見抜いている、本体を愛している。表面的な見え方は変幻するセイレーンさんに対して、ずっとセイレーンさんの本質に「友だちニャ」と言い続けるハミィから続いてるお話。覆面の解除と、それぞれの本当のビートが組曲になるであろう終盤をどう描いてくれるのか楽しみ。
→オールスターズ新作ダンス映像
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→前回:スイートプリキュア♪第32話「オロオロ〜!ヒーリングチェストが盗まれたニャ!」感想へ
→次回スイートプリキュア♪第34話「ズドド〜ン!メフィストがやって来ちゃったニャ!」の感想へ
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