スイートプリキュア♪第37話「ワクワク!ハロウィンでみんな変身ニャ!」の感想です。
今回の見所ベスト3。
第3位:バスドラさん達形態変化
全体的に、トリオ・ザ・マイナーが、プリキュア側が獲得した解答と、別の方向に進んでいってしまうという作劇。
最初は多重に姿を変えられたセイレーンさんは自分のビートを見つけて黒川エレン個人になったのに対して、何回も姿の変化を重ねていくうちに、本当のバスドラって? が見えなくなっていってしまうバスドラさん達。表面的にはどっちも姿を変えていても、ハロウィンで変えてるだけで自分のビートを見失っていないプリキュアさん達に対して、バスドラさん達はすっかり何でも色んな見え方で見えてしまうからと、自己存在が翻弄される人達になってしまった。目下の関心ごとが「リーダーになれるか」で(目先の出世とかの比喩なのかも)、いつの間にやら大局の変化に翻弄されてる様が(メフィスト様が去り、ノイズ様とか出て来て、大局のパラダイムがどんどん変わっていくのに、支配者側に良いように姿まで変えられて、翻弄されている)描かれます。
でもアコちゃんの「仮装」発言から、このどんどん姿が変わっていってしまうバスドラさん達はそれでもまだ表層の仮装扱いで、最後の方で彼らも自分のビートを見つけて素のバスドラさんになったりするのかもしれない。まだ、描かれ方がコメディ調で余裕があるしね。
一方で、ミューズが仮面を脱ぎ捨てたのに対して、ファルセットさんは仮面を付ける。プリキュアシリーズでは5の絶望の仮面の頃から仮面はディスコミュニケーションの比喩なので、アコが仮面を取って街の人や響達とのコミュニケーションに開かれはじめているのに対して、ファルセットさんはコミュニケーション拒否でリーダーを強奪するようになってしまう。上手い作劇です。
第2位:シリー
七人の中でもいやにやる気のない声がツボのシリー。くどまゆさんはイイ仕事してるな!
最初のシリーの必殺技が、自分だけ複数に分身して敵を倒そうとするもので、しっかり破られてしまって、作中でネガティブ描写になってるのが凄いと思いました。あんな作画労力かけても、作中では、「独りだけで戦おうとしてもダメ」要素。
それに対して、後半クレッシェンドトーンを使った四人技から、最後は通常モードで三人のアシストを使いながらミューズがミューズ個人の技で決める、という流れは完璧でした。く、この辺りは劇場版の話を絡めて語りたいな。大人なのでまだネタバレしないけど、良い映画だったのでみんな見に行くといいよ!
第1位:一人から二人へ、世界へ
アコちゃんの物語が響さんの物語と重なっているのが上手い。「画面越しの親との通信」が、二人が重ねられている要素です。
孤独にあえいでいた響さんは、だけど奏さんと復縁し、やがて家族の連帯を再確認した後、世界に向けて開かれはじめていった(今では世界中の人をピアノで笑顔にしたいというのが夢)。
同じくアコは孤独にふるまって街の行事とかバカにしてたんだけど、奏太という友だちだけはいたし(だから奏=奏太ポジションなんだね。家族問題で孤独な人に、家族的には恵まれている親友が一人いるというのが重ねて描かれている)、家族問題が回復した後は、響さんと同じように世界へ開かれはじめて行っている。今回は街の人達とのコミュニケーションまで描かれはじめている。やがて、アコさんも何か世界に開かれてる的な夢とか見つけたりするのだと思う。
そんな二人だから、響さんがアコに手を差し伸べるシーンはそれだけで思わずグっとくるものがある。終盤は毎年泣いてるんだけど、劇場版を経て、今年も凄いシナリオになってきたので期待しております。
◇◇◇
次回は謎の小鳥がアコのもとに。ぐぁー、そういう展開になっていくんだ。本気でテーマ的にはGoGo!を越えて決着させる気っぽいな……。
→オールスターズで踊りまくるダンス映像
プリキュアオールスターズDX the DANCE LIVE(ハート) 〜ミラクルダンスステージへようこそ〜 【Blu-ray】
プリキュアオールスターズDX the DANCE LIVE(ハート) 〜ミラクルダンスステージへようこそ〜 【DVD】
→映画スイートプリキュア♪とりもどせ! 心がつなぐ奇跡のメロディ♪の感想へ
→前回:スイートプリキュア♪第36話「キララーン!心に届け、ミューズの想いニャ!」感想へ
→次回スイートプリキュア♪第38話「パチパチパチ♪不思議な出会いが新たな始まりニャ! 」の感想へ
→スイートプリキュア♪感想の目次へ