「それイイ」(北条響)

 スイートプリキュア♪第38話「パチパチパチ♪不思議な出会いが新たな始まりニャ!」の感想です。
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 今回の見所ベスト3。

第3位:ピーちゃん

 ピーちゃん=ノイズ様だと仮定しても、アコとピーちゃんは表面的にコミュニケーションを取っているように見えて、その実全然解り合えていないというパートだった気がする。決定的に何かがズレたまま進んでいるような不気味なパート。

 エレンはアコが歌いたくない理由に「きっと何か理由がある」と言い、ファルセットはいなくなったノイズ様に「何か考えがおあり」という、「事情があると思うから深く関わってみよう、コミュニケーションしてみよう」のスイートイズムが描かれている一方で、アコとピーちゃんのコミュニケーションは現時点では断絶しているように見えるという過酷。

 きっと解り合えるという希望の話と、どうしても解り合えない空虚さという話が平行して進んでいる。

 かなり同じ題材を扱っていた『GoGo!』へのアンサーの意味も含めて(GoGo!では館長はフローラ様ともアナコンディさんとも解り合えなかった。)、結末を見守りたい。盛り上がってきています。


第2位:あの頃はいつもみんなで歌っていた/広がる世界

 想い出のレコードに象徴される、「昔みんなで聴いていた音」に寄り添って連帯を回復していくというスイートのストーリーライン。ただ、過去に戻って閉じこもって終わりとならない所は清々しい。

 響さんも奏さんと復縁し、家族問題が一段落した後は世界が広がりだしたように、アコもお父さんとお母さんの問題に決着がついた後は、そこだけに捕らわれないで世界が広がり始めていく、という流れが本当素敵。メフィスト様を取り戻した今、この世界のことなど関係ないだろ、と言うファルセットに、この世界も守りたいんだ、今ではこの世界にも家族のような人達がいるんだと返して立ち上がるミューズは熱い。想い出のオルゴールがネガトーン化(見方によって善にも悪にもなる)する展開は見事。確かに、昔聴いていた同じ音は、連帯を取り戻すキーにもなり得れば、そこだけに閉じこもってしまう鳥かごにもなってしまう。また流れとして今話のアコさんの感覚や前半の響さんの感覚は分かる。家族の問題に決着が着いていない間は世界がどうこうなんて言えないけど(言っても地盤が弱いので空虚になる)、そのステージを通った後は、社会のこととか世界のことも考えてみたい。家族の想い出の歌だから歌わないとある種閉じこもりかけていたアコが、響、奏、エレン、そして今回は特に奏太との関わりを経て、世界が広がっていく。家族共同体的な感覚が、広がり始めていく、だからラストシーンではこの世界でも歌える、という辺りを切り取っていたのは大変良かった。これが、「組曲」の解答に思える。


第1位:組曲戦闘

 上述のテーマを経て、四人の組曲戦闘が描かれていたのが熱かった。全員で合体攻撃すればイイというだけではなく、それぞれの特性を生かして、「奏太を取り戻す(劇場版の感想でも触れたけど、奏と奏太には、そのまま「奏」的な比喩的な意味がたぶんある)」というミッションを慣行する。

 ビートソニックに乗ってミューズが移動する辺りとか熱かったよ。移動ギミックに使えるんだ!的な。

 また、少しだけネタバレすると劇場版はメフィスト様とアフロディテ様の話でもあるんだけど、ぶっちゃけスイート的にはアコと奏太の愛の話なんだと思ってる。共同体や連帯の回復、といったテーマにあたって、結局最小構成要素は、愛し合う二人。響さんに恋愛要素が除外されているので、そこをアコさんと奏太くんが担当してるんだと思ってる。家族の話、共同体の話、組曲の話の、オープニングがそこにある。そこに結実して、フィナーレにしてスタートだという終わり方だったらすごくイイな、と思っているのでした。

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