「王子先輩、素敵」(南野奏)

 スイートプリキュア♪第40話「ルルル〜!雨音は女神の調べニャ!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。

第1位:共有できる過去

 アコにとってはピーちゃん、音吉さんたちにとってはノイズ様、と、スイート的に何回も繰り返されてきた「同じ存在が違って見える認識の齟齬」現象が今回も起こる。第一話の三本目の桜の見解が、響と奏でかみ合わなかったように。劇場版でアフロディテ様の印象がアコとスズでかみ合わなかったように。

 だけど、認識の齟齬が起こっても共有できる過去があれば一つの真実に到達して連帯できる。アコと音吉さんには積み重ねてきた「信じられる過去」がある一方で、ピーちゃんと共有できる確固たる過去はまだない。結局アコは音吉さんの方を信じる。

 解り合えるという良い話であった一方で、共通の過去がなければ信じて貰えないという、過酷な話でもあった。やっぱり響さんと奏さんが復縁できたのも想い出のレコード(に象徴される信じられる過去)があったからなんだよな……。「みんなでピアノを聴く」行為から逃れていたノイズ様と、そこが対照的。共有体験がなければ、認識の齟齬を埋めたり、信じたりというのは大変難しいというような話。

 そして、響と奏、ハミィとセイレーンは、物語開始時で、既に「共有できる過去」ができあがっていたペアだった。あとは、それを取り戻すだけ。一方で、未来における過去の共有体験は、つまりは今の共有体験。それをアコと奏太で描いているのだと思っています。今回だけで、「同じ雨音を聴く」経験をアコと奏太は二回している(一回目の体験をアコがちゃんと覚えてるのを夢で強調してるのはそのため)。それはきっと、あのレコードが響さんと奏さんの想い出のレコードになったように、二人の共有できる信じられる過去になっていくはず。今まで挿入されてきた、一見唐突なアコと奏太のじゃれ合いパートしかり。響や奏も、こうやって共有体験を積み重ねてきたんだな、というのを現在進行形で見せてるのだろうと(だから二人は劇中進行形では年齢が低い。響や奏の幼少の過去体験の頃の年齢が現在のアコと奏太)。奏太は重要キャラ。最後にもう一山断絶が起こると仮定して、そこから連帯を回復するキーキャラになりそうな気がするのでした。

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