「全然気がつかなかった」(北条響)

 スイートプリキュア♪第42話「ピコンピコン!狙われたキュアモジューレニャ!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。

第1位:バスドラさんとバリトンさんが助けてくれる

 第40話の「ノイズ様のまやかしよりも信じられる過去の共有体験(音吉さん)を信じる」に顕著だったけど、ノイズ様は名前の通り不信とか意思疎通不能、ディスコミュニケーション的な悪役で、それに対して「過去の信じられる共有体験」とか「自分のビート」みたいな解法で立ち向かっていく話なんだと思った。

 和音さんと聖歌先輩がノイズ様に操られていた時、響さんと奏さんが呼びかけていたのは、「私と和音は親友で」とか「聖歌先輩はスイーツ部の憧れで」とか、ようは「私たちにはこんな大切な共有体験があるんだから、雑音で惑わされないで、自分を見失わないで」というようなこと。苦しみながらノイズと戦おうとする和音さんと聖歌さんがリアル。確かに現実も何を信じて良いのか分からなくて苦しい、分断や断絶に結びつく不信や混乱を誘発するノイズは容赦なく襲いかかってくる。だけど、そういうのに負けないで大切な共有体験や自分のビートは信じたい。そして、和音さんと聖歌先輩はギリギリ打ち勝つ。

 対照的なのは、いったんはノイズ様の力が解除されて助けてくれたバスドラさんとバリトンさんなんだけど、もう一度ノイズ様に支配されてからは、響さんや奏さんの声が届いてもう一度自分本来の姿に戻る所までは今話ではいかない。たぶん、和音さんや聖歌さんに比べて彼らに届くだけの共有体験がまだ響さん達との間にないのと、変幻する姿から自分のビートを感じて一つの姿に定まったエレンさんほどには、まだバスドラさんとバリトンさんは自分のビートもない感じなんだと思う。

 逆に、そこが埋まればバスドラさんとバリトンさんは少なくとも意思の疎通が可能な相手になる。セイレーンさんとか重要そうだよな。元上司で、確かに共有していた時間はあったのだから。悲しい音楽をむしろ愛するという、共有体験もあったのだから。

 そして、温泉掘ってるのかエピソードや、一緒に猫から魚を取り戻すエピソードで、さらに共有体験が追加され始めている。

 たぶんノイズ様でどうしても何も共有できないし意思疎通もできない相手もいる、ということを描いている一方で、「共有体験」については後からでもまざっていける、ということも描いている。エレンもアコもプリキュアや街のイベントを共有しはじめたのは途中からだし、新OPのラストも、そんな感じ。ならばあるいはバスドラさんたちも、というような話。どこまで組曲は進行形で可能で、どこから解り合えないのか。同系のテーマだった「GoGo!」から少し進んだ感じの、ファイナルエピソードが楽しみな作品。

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