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にじいろ☆プリズムガール 1 (ちゃおフラワーコミックス)
にじいろ☆プリズムガール 1 (ちゃおフラワーコミックス)

 中原杏さんの『にじいろプリズムガール』第1巻の感想です。

 『Splash☆Star』時代にあやうくプリキュアシリーズにトドメを刺しかけたキラーコンテンツ、『きらりん☆レボリューション』の原作者様が、コツコツと現在『ちゃお』で描き溜めている新作です。『プリティーリズム』でタメを作りつつ、また、何かがプリキュアを狙ってる感。
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 めちゃめちゃ面白いので困る。女優もの、というか芸能界漫画なので、ファッションとか音楽とかダンスとか、近年の女児向けアニメ市場とのマッチングもばっちりです。プリキュアシリーズは10周年目に何かと戦わないといけないのかもしれない。(まだアニメ化とか、そういう話はないけど。ちなみにジム・ロジャース(著名な投資家)は『きらりん☆レボリューション』についてたタカラトミーの株を買ってることを明言している。)

 中原せんせの漫画力が高すぎるのもさることながら(『演技のすごさ』という絵媒体で表現しづらいことを、しっかり表現しておられる)、少女創作であり夢追い物語であるのも、ツボに入ると言わざるを得ない。

 少女創作のブログの方では、理想と現実のギャップ、そして"それを埋めようとする背伸び感覚の意志"が古典から近年まで少女創作にはあるのだという話を何回か書いてますが、「実態は小学五年生なのに十六歳として女優を目指す」という設定はまさにこの定式に当てはまります。魔法少女ものの「変身」の亜種。理想の自分への背伸び感覚から、全てが始まっていく。

 夢追い物語も、個人的にはもう上昇志向一辺倒の「夢を追おう」にはピンとこなくなってるんですが、「ダイヤモンド・プリズム賞をとる」という虹架の夢が、別に単純な上昇志向とか名誉欲から来てる訳じゃなくて、「お母さんの想いを受け継ぎたい」から来てるので、これは共感できる。素朴な家族愛が、たまたま大きい目標や自分の本質とリンクしてしまったんなら、しょうがない。別に競争も好きじゃないし強者になるつもりもないのだが、大事なものがあるんです、私? 通りすがりの小学五年生よ! みたいな感じなので、なんというかこれは新しいヒーロー性。

 『きらりん☆レボリューション』が既に凄かったんですが、さらにパワーアップして虎視眈々と巻数が溜まっていってます。2月には第三巻が発売。こわい。こわいけど、夢原VSきらりの第二ステージを、見たい!

にじいろ☆プリズムガール 1 (ちゃおフラワーコミックス)
にじいろ☆プリズムガール 1 (ちゃおフラワーコミックス)

にじいろ☆プリズムガール 2 (フラワーコミックス)
にじいろ☆プリズムガール 2 (フラワーコミックス)