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スマイルプリキュア!第1話「誕生!笑顔まんてんキュアハッピー!!」の感想です。
今回の見所ベスト3。
第3位:メルヘン力
繰り返されていたのは、メルヘン(=おとぎ話)が現実に押されている、ということ。星空みゆきさんは一見メルヘン属性でメルヘン耐性が高いんだけど、曲がり角を曲がっても何もなかったり(元ネタは『赤毛のアン』。掛川恭子訳だと最後の「アンが生まれながらに持っている想像力や理想の夢の世界は、誰にも奪うことができないのだ。それにこの道にはいつだって、そのむこうに何が隠されているかわからない、あの曲がり角があるのだ!」が一つは作品テーマ。第一話時点の感想としてスマイルさんともシンクロしてるように思います。)、「オオカミにはレンガのおうち」というお約束も通じなかったり、ポーズを決めるだけで必殺技も出ない。現実はメルヘンのようにはいかない。
第2位:未来のお話
もう現実はメルヘンのようにはいかないとして、「現在」は疲れて、壊れかけている。このままだと「未来」はバッドエンドなのは自明で、もうそう決まってるんなら頑張ることにも意味がない。白紙の未来を真っ黒に染めてやるという敵さんの台詞の中、頑張っても無駄だと疲れて座り込んでいく大人たちがリアルです。
未来はバッドエンドなんだから頑張ることは無意味というオオカミさんと、頑張ればいつかハッピーになれる、頑張ることには意味がある、というキャンディ(&みゆきさん)の主張対決も綺麗。
一回目の山場が、序盤で日野さんに問われた「みゆきにとっての幸せとは?」に対するアンサーと変身シーンがシンクロするところで、これはフレッシュでメビウス様が答えられなくて自爆を選んだ問いだとか思えば感慨深い。みゆきさんは明確に答える。「頑張るって決めたことは最後までやる」それが私のハッピー(幸せ)だって。
なんていうかグっとくるね。
おとぎ話や本、図書館という「過去」、バッドエンド論やキャンディ(たぶん守るべき子ども世代)といった未来。
少女創作では定番の鏡モチーフと変身をかけた、現実(現在)の私と理想(未来)の私。
色々背景に書き込まれた上で、「現在」私はやっぱり頑張るって言ってる。カッコいい。
第1位:気合
「現在」頑張るっていうことは、逃げないということ。もう頑張れない、逃げたい、という世相も反映してか、島本和彦『仮面ボクサー』で30年パンチを撃つのを躊躇う主人公のごとく(この例え分かりづらい!)、頑張りたい、でも逃げたい、というか実際に逃げたり……というのが繰り返される。現実は逆境、メルヘンも劣勢、逃げたい、逃げたいが……という所でカっと目を見開く。
「逃げてばっかりじゃ、ハッピーも逃げちゃう」
やっぱり夢原さんの何かを受け継いでいると思った。「楽しいだけじゃダメなんだよ!」的な。がっかり感から、ここから行かないと的な勢いが必要、的な。
しかし現実は逆境、メルヘンも起こらない、そんな状態で何ができるんだ、どんな手持ちの武器が僕らに残ってるんだっていう部分での回答が熱かった。
気合だっ
定番の「仲間パワー」すら今話では使ってないのが熱い。とりあえず頼れるのは、自分の気合だ。
気合だ気合だ気合だっ
本当に気合注入で状況を打破して、そしてやっぱり気合だから終わった後はどっぷり疲れてるのが面白かった。だけど、これかっ! と思った。みゆきさんはメルヘン属性はまああるんだろうけど、実際に状況を打破したのは逃げないハートと気合。やっぱり、待ってても逃げてもハッピーエンドは来ないっぽい。魔法の楽々解答とかないんです。現在で、気合入れて頑張らないと。
スイートは優しい作品でした。過去との和解も果たしました。だから、次はハッピーな未来のために、現実で気合のターンなのかもしれない。そんなに強固な人生の指針の理念とかもなくて、毎年その年のプリキュアを指針に生きてるような状況なので、今年はしぶしぶ気合を入れていく年にしようかと思いました。
いつか絶対ハッピーになれるんだからっ
嘲笑うオオカミさんをはじめ、始終そんなのは綺麗ごとだという感覚も背後に漂ってるのが良い。それでもハッピーな未来を信じて、現在を気合を入れて過ごし、気合なんで放出後は疲れたりしながら何とか頑張ってみる。また面白い一年が始まった。
→色々
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→次回:スマイルプリキュア!第1話感想補遺へ
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