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スマイルプリキュア!第5話「美しき心!キュアビューティ!!」の感想です。
今回の見所ベスト1。
第1位:キュアビューティ
第一話から、逆境で必要なものが徐々に集まってきてる気がするんだけど、ついに知性が加入。よかった、まだ頭イイ人がいた! 貴重な資源です。
気合とか、(報われないとしても)努力・情熱とか、平和の志とか、確かに必要だけど今一つ頼りなかった。その点ここ二話は少し一安心のターン。気合四連発が何も生み出さなかったのを、知性のみで覆してみせるビューティさんまじクール。「気合」を担当していたみゆきさんの立場が微妙なものになってます。知性は、四倍の気合をも凌駕するっ!
今話自体では、あんまり「美しさ」の意味での(とくに外見に関しては)直接的なビューティネタはなしな感じなんだど、『白雪姫』ネタで補完的に描いていた感じ。白雪姫の紙人形を踏みにじられて怒って変身という流れは良い。青木さんは別に白雪姫(一応美しい存在のはず)を踏みにじられたからというよりも、みゆきさんたちと過ごした時間や努力を踏みにじられたから怒ったのだった。
この五話の仲間加入回は、みゆきさんとメイン回の仲間が何らかの時間を過ごす→その時間に意味がないと踏みにじられる→いや、意味はあるはずだと変身……のフォーマットが全話共通。確かに、全ての回において、バレーの練習、一緒に絵を描く、家族との時間、朗読劇の準備、グローバル水準の競争世界ではさして意味がない(言ってしまったけど、『映画プリキュアオールスターズDX1』に関して、鷲尾プロデューサーのグローバル化と闘う話という趣旨のインタビューがある通り、それ以後のプリキュアシリーズには、グローバリズムへの抵抗、もしくはどう付き合っていくか、みたいな趣旨は見え隠れする)のだけど、当の本人たちにとっては意味があるんだ、それを一方的に否定しないで、という主張のようなものが見え隠れします。こういう、はびこりがちな「無価値感」をどうやったら意味があるものにしていけるか、乗り越えていけるのかっていうのはゼロ年代後半から色んな創作物が取り組んでいたテーマで、スマイルプリキュア! も引き続き時代性があると思います(『けいおん!』とかもメインテーマはこれだよね。何気ないものに意味、価値を発見するには? それを守っていくには? って話が描かれている。そして流行った。)
緑川さんと青木さんあたりは、それこそ実力的な話だけなら、もっと上の世界に行けるはずなんですよ。だけど、マッチョに上昇して私の正義と実力で世界を埋めてみせる、などとは言わずに、普通の家族生活とか、子供たちとの朗読劇とか、そういう世界競争水準では無価値かもしれないものを守るためにだけ戦おうとする。このさじ加減が、やっぱり日本発のヒーローだよな、と思います。
メルヘンは逆境だと理解しつつ現実で気合くらいしかリソースがないけど他人と一緒に何かできる子、努力はするし実力もそこそこだけど報われない子、平和を守るスーパーヒーローに憧れながら実情逃げて絵を描くくらいしかできない子、能力的に黄金だけど断絶の不安を抱えてる子、知性、ビューティ高水準の子、とで、次回「チーム結成」とか言ってるのは面白い。特に後半の二人がいないと能力的にはダメっぽいんだけど、でも中心人物はみゆきさんだし、前半三人も(後半二人にとっても)必要な存在。この、全員高スペックオンリーでチームを組めるとかは現実無理で(それこそ悪い方向でのメルヘン)、手持ちの人材で何とかやっていくしかないぜ感がリアルで好きです。
◇◇◇
・『白雪姫』ネタで鏡を蹴りつけるというのは面白かったです。第一話の「レンガのおうち」といい、強いフォーマットとまではいかなくても、童話上のアイテムがアカンベー化する点で何かは表現してるっぽい。
・前回、緑川さんは家族といると「楽しい」といい、みゆきたちの仲間になる際にも「楽しそう」と言うのがシンクロ演出で描かれている。緑川さんが抱えてる「家族はやがてバラバラになる」問題の解法のキーはこの辺りに仕込まれているのかな、と思ったり。
→色々

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→前回:スマイルプリキュア!第4話「直球勝負!風のキュアマーチ!!」感想へ
→次回:スマイルプリキュア!第6話「チーム結成!スマイルプリキュア!!」の感想へ
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