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 TJさんの第7話感想記事にちょっとあった、みゆきさんぼっちだった説はけっこうある気がする。

 以下、ちょっと『映画プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち』の内容にも触れて書くので、まだ見てない方は注意です。
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・『映画プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち』には、メインである坂上あゆみさんの物語の他にも、みゆきさんに代表されるスマイル組の物語もあって(二主人公制だったと言っても言い過ぎではないかもしれない)、ラストで台詞で明示的にも語られるけど、スマイル組のポジションは「他人のハッピーエンドを守る人たち」。「自分自身がハッピーエンドを迎える」ではなくて、「他人のハッピーエンドを守る」側にフォーカスされて描かれていたのは結構大きいと感じました。

・その文脈で言うと、第7話の森の秘密の場所にいた未来世代の比喩と思われる二人の少女は、「みゆきさんが得られなかったハッピーエンドの形」みたいなのもあり得ると思うんですよね。アンとダイアナの関係に憧れて永遠の友情を誓い合うのに憧れていた、というのはどうも裏を返すと、みゆきさん自身はその願いは叶えられなかった、という意味に聞こえます。
・絵本(空想・メルヘン)が好きという属性自体が、現実が厳しいと認識してることとセットで描かれている以上、何かしらみゆきさんにも現実が厳しいと認識するバックボーンがある気がする。第一話で転校初日に十分に練習してのぞみ、実際緊張してる描写からも、コミュニケーションに関して何かあったのか、と思わなくもない。

・だから、森の二人の少女に対して微笑み、そしてその情景(みゆきさんが夢見たかもしれないハッピーエンドの形)が壊されそうになった時、守るために戦うというのはカッコいい。時期的にも、映画の立ち回りポジションとシンクロしてるように感じます。私には得られなかったハッピーエンドだけど、秘密の森で友情を誓い合うと、それは永遠になる……らしいよ? 私にはダイアナはいない、でもそれを守ることはできる……変身っ、みたいな『仮面ライダー555』のたっくんイズムみたいなシーンだったのだとしたら、惚れます。

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・絵本、童話要素に関して『赤毛のアン』がありになったことで、かなりモチーフになる作品の幅が広がりました。これはもう、『赤毛のアン』がありなら『若草物語』もありでしょう。あれも一種の幸福論的な要素がある話なので、ハッピーを名に関するプリキュアさんに出てくるのにふさわしいと思います。

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 ここからはさらに映画既に見た人向け。

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・今回の映画で『5』以前のプリキュアがレジェンド(伝説)化してるのは、映画の題名やラストの消えていく前のフュージョンの台詞を読むとだいたい意味合いを咀嚼することができます(ちなみに映画感想でフレッシュ要素の話を書いたけど、「プリキュアレジェンド」の台詞を口にするのも、フレッシュ第一話の桃園さん)。特に、ラストのフュージョンの台詞はDX1の夢原さんの「同じ空の下にいる」の、NewStageフェーズ版の台詞だと思う。

 様々な面で、断絶を繋ぐという、スイートが色濃く担ってたテーマを今回も大事にしていた印象。それは、DX1時点では6作品4代の間の断絶を繋ぐくらいの意味だったのだけど(これが「同じ空の下にいる」)、今回はもっと、一般人とプリキュアの断絶とか、敵と味方の断絶とか、9年でジェネレーションギャップが生じるほどになった世代間の断絶とか、もろもろより拡充された意味での断絶を、繋いでいく話になっている。そういう通時、共時両方に発生している断絶を厳しい現実と受け止めながら、「永遠の友だち」というくどまゆさんの歌で、目指していく気の方向を示してる話だと思いました(そういう点で、やはり今回の映画の主題歌は「5」から歌っていたくどまゆさんしかなくて、そこすら演出と感じます。)。

・ある程度真面目予想として、最近の東映さんの流れ的に、今後向かっていくのはさらに進んで異種コンテンツ間の断絶を繋ぐ、な気はしています。ギャバンとゴーカイジャーが共演し、全ライダーと全戦隊がVSする流れなので、次は本当セーラームーンとの共演とか、そういう方向な気がしてるんだけど(スイートのキャストさんとかがその仕込みの意味もあるのかも、というのは以前書いた通り)。これは、小清水さんのナージャ、響さんダブルキャストですよ(え)。

・世代、地域の断絶を繋ぐ要素としての共有体験の大事さは、最近現実の日々の暮らしの中でも実感しています。戦争経験世代と経済成長世代と現在と未来世代とでかなり認識に断絶があり、地域的にも地方と都会、被災した地域としなかった地域、津波が来た地域と来なかった地域などなどと認識に様々な断絶がある現在、プリキュアや仮面ライダーや戦隊の話で少しでも共通の話題が創出されるということにどれだけ価値があるか。東映さんも、かなり本気なんだと思っております。もう、関わる人みんなが使命感の領域で作ってる仕事だと相変わらずひしひしと感じましたね……。

→前回:スマイルプリキュア!第7話「どこなの?わたし達のひみつ基地!?」感想へ
→次回:スマイルプリキュア!第8話「みゆきとキャンディがイレカワ〜ル!?」の感想へ
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