「私の道はどこにあるのか、分からないのです」(青木れいか)

 スマイルプリキュア!第16話「れいかの悩み!どうして勉強するの!?」の感想です。
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 今回の見所ベスト2。

第2位:「道」が分からない

 みゆきさんのメルヘン、日野さんのバレーとお好み焼き(と情熱)、やよいさんの絵、緑川さんの家族、といった主要な(おそらく個別テーマと連動した)属性がなかった青木さん。逆に集中できる属性がないということ自体が何か個別テーマ的にも作品テーマ的にも重要な模様。一発ネタかと思ってた「道」の習字が伏線だったのは見事だと思いましたよ。無印「5」で夢があるうららとこまちさんに、夢がない夏木さんと水無月先輩が抱いていた感情を思い出します。一話から言ってるけど、「頑張れること自体がハッピー」なら、頑張れる対象が絞れない青木さんはアンハッピーな人ということになってしまう。

 やりたいことをいつか見つけるために、今は色んなことを学ぼうという着地は無難ですが、他の四人の属性パートを観察して演繹ではなく帰納的に導いているのが青木さん知性! と思いました。安易なオンリー1、自分らしさ賛歌ではない。そんなの、急に降ってはこない。色々観察したり、やってみたりしないと。


第1位:高村光太郎を詠じる

 自分のやりたいことはまだ見つからないけど、とりあえず不当な暴力も見過ごせないのも本心です、という青木さんまじガッカリ系正義。

 青木さんとは別な意味で知性的な方面でがっかり感漂う他の四人が問題集アカンベーに瞬殺されていく中(ピース計算遅い!)、青木さん無双で逆転するのはカタルシスが大きかった。やりたいことがない=アンハッピーの公式という側面は残念ながらあるのかもしれない。けど、それはそれとして身に着けた知性は本物です。

 学校問題レベルに終始する中(例えばMy name is Aiba みたいなのは実際の自己紹介ではあんまり使わない)、ラストの国語の問題で学校問題レベルから(敵側の悪意で)逸脱(いや、高村光太郎が中学校の学習指導要領に含まれてるのか分からずに書いてますが)、だけどさらにインフレしてそれをガチで返す、という部分に青木さんの知性まじ知性感を感じました。さらっと『道程』が出てくるのはカッコいいよ。

 また、ラストの他の四人のメンバーに個別学校勉強科目がそれぞれどう役に立つか青木さんが説いていく箇所も、『スイート』で共有体験を是とした以上、自然な流れだと思いました。ちまたの偶有性やらグローバル化礼賛やらの学校勉強不要説には流れない。価値観が相対的になった時代でも、数学で1+1=2は誰にとっても変わらないのが共有体験(クリプキなどの難しく踏み込んだ議論は除く)、読んでるものがみんな違ってきてしまっていても、歴史的に徳川家康くらいはみんな知っている、それが共有体験。そして、共有体験としての共有語は、世界規模の隆盛で見たら、良くも悪くも英語です。分化する前の共有知識の伝達こそが、そもそも公教育の出発点だった。

 バレーで世界に行った時に海外の人たちと話すこと、数学と絵で分かりやすく伝えること、歴史の射程で深く理解すること、といった最後のそれぞれの話も、全てコミュニケーションや意思伝達に関する事柄です。「GoGo!」以来描き続けてきた主題的に、これはしっくりきます。

 全体的に青木さんに惚れてしまう一話でした。何やら青木さんには個人的に共感する所もあり、秘密基地回、京都回に加えて、とても好きになった回でした。

→色々

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