スマイルプリキュア!第19話「パパ、ありがとう!やよいのたからもの」の感想です。
今回の見所ベスト1。
第1位:優しさと愛
スマイルに必要なものシリーズ、確かにやよいさんがピース(平和)だとドクンときた一話だった。
思わずメモしてしまった専用バンク前のやよいさんの台詞。
私はパパからいっぱいの愛をもらったおかげで、人に優しくしようって思える。
優しさはきっと、人から人へと伝える愛の表現なんだ。
あなたに愛がないのなら、パパからもらった愛を受け取って。
相手を打倒しようという要素がない。『映画プリキュアオールスターズNS』に関する志水淳児監督のインタビューで、より強大になったフュージョンを、プリキュアたちがさらに強大な力で打倒しては終わりがない、そうなるともう「愛」しかない、というようなことを語っておられたのを思い出しました。
確かに情熱、努力、過程での頑張りなどの果てが、ただの競争と敵の打倒だけに向かっていってはいかぬ。最弱で結果も出ないピースが、優しさと愛、そしてそれの伝達を担ってるというのは良い。主人公ポジションで別格のみゆきさんを除くと、やよいさんがスポーツ系特性じゃなくて芸術系特性なのも考えられているなと思いました。これ、やよいさんの勝利エピソード(結果を出すというような話)はなしでいって欲しいな。前回の感想から覆すようだけど、重要な場面での勝利条件はそれを担ってくれる人がちゃんといる(知力が絡む戦いなら青木さんとか)。それはそれとして、勝てなくても愛とか優しさとか大事にしていってほしい。
過程と結果の話からすれば、黄瀬父の立場からしたら、表面的にはバッドエンド後の話ということになる。何ら、近代競争原理的な価値観の中で黄瀬父は勝利したわけではなく、他界してしまっている。けれど、愛と優しさがやよいさんに伝わって残ってる点で(そしてそれをやよいさんも次の誰かに伝えようとしてる点で)、そういう話を超越してしまっている。これ、やよいさんめちゃくちゃ重要なポジションじゃないか。「愛を受け取って」と言ってるように、何らかの物語論上の悲哀が予想されるウルフルンさんらの行く末にも、かなり関わってくるのではなかろーか。
また、自分も監督さん(演出さん)のカラーとか分かるようになってきたなと思った一話。今話の演出の境宗久さん(大塚監督のTwitterいわく東映の四皇の一人らしい。残る三皇が気になる。)はスイートのシリーズディレクターの方。た、確かにスイート終盤の悲しさやらアンニュイさやらを伴いつつの始終爆涙感を思い出す話だった。それを言うと上にあげた『オールスターズNS』の志水監督もフレッシュのシリーズディレクターさんだし(最後は「愛」)、やっぱり全存在をかけて取り組んでおられるんだろうから、こういうクラスの作品になると自分の人格とは分けて職人として市場が求めるものを自分はイイとは思ってないけど作ってますみたいなのはかえって難しくなって、作り手のカラーが土台の骨組みにあるのが感じられるようになるんだろうなーと思いました。
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