「ポップ達筆だね」(星空みゆき)

 スマイルプリキュア!第21話「星にねがいを!みんなず〜っと一緒!!」の感想です。
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 今回の見所ベスト3。

第3位:ペガサスの日

 メルヘンの国メルヘンランドでさらにメルヘンとして語られているという「ペガサスの日」。それ自体は虚構でメルヘンで綺麗ごと的な願望です。ちょうど、こっちの世界の七夕がそうであるように。虚構のメルヘンに願いを、という、「願い事」を扱いながら、始終でも現実では願い事なんて叶わないよ、という虚無感が背後に漂っているお話でした。「ペガサスの日」自体が白雪姫や赤毛のアンのように現実にもあるメルヘンではなくて、虚飾創作なのがさらに効いてる感じです。


第2位:光線技を撃ち合う

 それでも願い事、ハッピーな未来を願うことには意味はある、という主張のもと、初代〜MaxHeartおよびそれらを本歌どってるオールスターズDXまでを彷彿とさせる光線技の撃ち合いが描かれます。そうだった、主張を絶叫しながら光線技を撃つのが原初プリキュアでした。心の自由を主張しながらピーサードさんにマーブルスクリューしていた雪城さんとか懐かしいですよ。

 だからハッピーの必殺技は典型的な光線技だったのかというごとく、ここ一番の主張を叫びながらの久々に気合注入シーンも入りつつのハッピーシャワー。肝心な場面では主人公のデフォルト必殺技的な展開で熱かった。テクニカルな技、展開多々あれど、ここ一番ではかめはめ波、的な。


第1位:願いは何一つ叶いませんよ

 プリキュアシリーズクライマックスフォーマット的な勝利が描かれ、最後のデコルが集まり、やはり願いは叶う。ハッピーエンドは訪れる。そこに向かって努力することには意味がある。という決着をみせようとした瞬間、ジョーカーさんによって今まで集めてきたデコルとキャンディが奪われる。まずはキャンディの願い、「みんなとずっと一緒」が打ち砕かれる(ポップと一緒にいられない寂しさをスマイルの5人との関係で埋め合わせていた第6話を思い出すと悲しい)。やはり、現実は最後にはバラバラになってしまうんだ。

 順に、これからも素敵な物語にたくさん出会えますように。美味しいお好み焼きが焼けて商売繁盛。絵がうまくなりますように。家族で旅行に。正しき道を。という五人の願い事も打ち砕かれていきそうで厳しい。ら、来週はダメージが大きそうで見たくないかもしれない(日曜日のプリキュアの内容で一週間に影響を受ける社会人)。

 しかし、謎の二段階変身ペガサスフォーム(仮)が広報されている以上、それでも、メルヘンで虚構で贋作で綺麗ごと的な願い(=物語)は力を貸してくれる、という展開になりそう。逆境的な現実で作品(物語)作りを続けている東映スタッフ様の魂の凝縮を見れるのやもしれない。現実はメルヘンのようにはいかない、知っているよそんなこと。溢れる物語は模造の贋作で、笑顔は虚飾で、願い事は綺麗ごと。だけどそれを願って生きている。いくぞ現実――――武器の貯蔵は充分か? みたいな展開なのだろうか。

 そういう意味で、現実の厳しさを認識しながらメルヘンを願って笑う、というみゆきさんさえ折れなければ火は消えない、という気はします。あと、青木さんは他の三人とは別の意味で絶望結界攻略しそう(未来にどうなりたいというより、「あり方」が願いだから)。夏の山場は毎年ですが、今年もプリキュア面白くなってきたー。

→色々

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→前回:スマイルプリキュア!第20話「透明人間?みゆきとあかねがミエナクナ〜ル!?」感想へ
→次回:スマイルプリキュア!第22話「いちばん大切なものって、なぁに?」の感想へ
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